研究課題
若手研究(B)
近年、小児難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体)の有効性が報告されているが、その作用機序は不明である。本研究では、これまで注目されていなかったB細胞の関与という新たな視点からネフローゼ症候群の病因・病態を解明することを目的とする。小児期発症の難治性ネフローゼ症候群12症例に対して、リツキシマブ療法として375mg/m^2の単回投与法を行うパイロット研究を行った。その結果、リツキシマブ投与前6ヶ月間と比較して、投与後6ヶ月間では有意に再発頻度やステロイド投与量を減少させることができ、ステロイド中止期間も有意に長かった。一方で12例中9症例が平均129日後の時点で、末梢血B細胞数の回復とともに再発を認め、追加投与を必要とした。これまでに報告された375mg/m^2/回(最大投与量500mg/回)4回投与症例と、末梢血B細胞枯渇期間及び再発までの期間を比較したところ、いずれも1回投与群が有意に短かった。本研究の結果から、難治性ネフローゼ症候群患者に対するリツキシマブ療法は有効であるが、1回投与法は有効性の面で不十分と思われること、ネフローゼ症候群の発症及び再発にB細胞が重要な役割を担っている可能性が高いことが示された。
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