研究課題/領域番号 |
20790862
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
分野 正貴 関西医大, 医学部, 助教 (50449831)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | うつ病 / パロキセチン / ミルナシプラン / Alpha2A-adrenergic receptor(ADRA2A) / 治療反応 / SSRI / SNRI |
研究概要 |
関西医科大学精神神経科に通院・入院中でDSM-IVでうつ病と診断された未治療93名をparoxetine(PX)かmilnacipran(ML)に無作為に割り当て、薬物投与前と投与2週間ごとにハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)で評価し6週間治療した。アドレナリンα2A受容体(ADRA2A)は、自己受容体として全身交感神経活動調節の中心的役割を果たす。近年ADRA2Aの機能不全がうつ病、注意欠陥多動障害の原因として関係するとの報告がある。今回我々は、ADRA2A遺伝子多型の影響が、SSRIs/SNRIsの抗うつ反応における予測因子となりえるか日本人うつ病患者で調査した。特にプロモータ部位に位置するADRA2AC-1297G遺伝子多型を抗うつ反応の相関解析で考慮した。同意取得者93例から副作用、自己中断による脱落36例を除いた57例(PX群27例、ML群30例)について解析を行った。臨床改善では、両群とも著明に改善したが、両群間に有意差はなかった。57名をADRA2AC-1297G遺伝子多型C/C、CIG、GIGに分類し、3遺伝子型間でHAM-D変化率over time(P=0.019)に有意差を認めた。またML群でCアレル保有者がG/G被験者より、HAM-D変化率over time(P=0.037)で著明な改善を示したが、PX群では有意差を認めなかった。また93例で副作用において両群間に有意差はなかった。我々の研究結果はADRA2Aがうつ病治療で重要な役割を果すことを示唆した。この研究では、PXとMLは同等の臨床効果と副作用を持つことを証明した。またADRA2A遺伝子多型がSSRIs/SNRIs、特にMLの抗うつ反応に関連している可能性を示した。
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