研究概要 |
本研究では、臓器移植後に非特異的な免疫抑制剤を使用することなく拒絶反応を制御する方法の確立を目的として、末梢血由来CD14^+単球からT細胞寛容誘導特性を有する内皮様細胞の誘導法を確立した。さらにこの免疫修飾法を解析するためのin vivoマウスモデル(肝内皮キメラ免疫不全マウス)の確立を試みた。誘導した再生内皮様細胞は、抗原提示能(CD80, CD86, class II)とともに、抑制性分子であるPDL-1、ILT-3が発現していた。さらに、リンパ球混合試験において、異系間リンパ球混合試験培養途中に刺激細胞と同系の再生内皮様細胞を添加すると、特異的なT細胞応答抑制効果を認めた。以上より、ドナーCD14^+単球由来の再生内皮様細胞を移入することで、臓器移植後の特異的免疫寛容が誘導しうる可能性が示唆された。
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