研究課題
若手研究(B)
【背景と目的】自家静脈グラフトを用いた血行再建術の臨床成績は、新生内膜形成による静脈グラフト不全のために不良である。血小板由来増殖因子(PDGF)は静脈グラフト不全の病態形成において主要な役割を果たしている。それゆえにナノ粒子を用いたドラッグデリバリーシステムによってPDGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬(メシル酸イマチニブ:STI571)を送達することが静脈グラフト不全の画期的治療になりうるという仮説を検証した。【方法と結果】STI571封入ナノ粒子の取り込みによって、PDGFによる血管平滑筋細胞の遊走、増殖が抑制された。摘出したウサギ頚静脈グラフトにEx vivoでPBS、STI571のみ、FITC封入ナノ粒子、STI571封入ナノ粒子にて処置を施し、その後に頚動脈にバイパスグラフトを作成した。ナノ粒子はグラフト作成7日目、28日目の新生内膜、中膜の細胞の多くに認められた。新生内膜がPBS処置群において有意に形成されたが、STI571封入ナノ粒子処置群において抑制された。STI571封入ナノ粒子処置群では細胞増殖が減少し、PDGF受容体チロシンリン酸化が減少したが、炎症や内皮再生には影響しなかった。【結論】STI571封入ナノ粒子による静脈グラフト新生内膜形成抑制は、静脈グラフト不全予防法として期待される。
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