研究課題/領域番号 |
20791198
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
兵頭 純 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30423453)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2008年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | NO / 低体温 / スナネズミ / 虚血性内耳障害 / 内有毛細胞 / 有毛細胞 / 聴性脳幹反応 / 一過性内耳虚血モデル |
研究概要 |
本年度の研究では、低体温の保護効果の機序を明らかにする目的で、一過性内耳虚血モデルを用いて一酸化窒素やペルオキシライトなどの活性酸素種の代謝産物の1つである窒素酸化物(NO_x)の蝸牛内濃度を常温(32℃)時と虚血後低体温(32℃)負荷時に測定し比較検討した。何も処置を行わない群(無処置群)、15分間の一過性内耳虚血を施行し常温で保った群(虚血後常温群)、虚血終了後1時間後から3時間低体温とした群(虚血後低体温群1-3)、虚血終了後1時間後から6時間低体温とした群(虚血後低体温群1-6)、虚血終了後3時間後から3時間低体温とした群(虚血後低体温群3-3)、虚血終了後6時間後から3時間32度の低体温とした群(虚血後低体温群6-3)の6群に分け、一過性内耳虚血24時間後に全身麻酔下に骨胞を露出し、蝸牛基底回転鼓室階に微小透析膜付きプローブを挿入して蝸牛外リンパを回収、外リンパ中のNO^<2->、NO^<3->濃度を測定した。結果だが、無処置群のNO^<2->とNO^<3->濃度の合計(NO_x濃度とする)は10.3±2.9pmol/l、虚血後常温群では23.7±7.4pmol/lであった。虚血後低体温群1-3では8.3±3.0pmol/l、虚血後低体温群1-6は4.0±1.3pmol/l、虚血後低体温群3-3は16.4±8.9pmol/l、虚血後低体温群6-3は19.1±7.3pmol/lであり、低体温群ではいずれの群においてもNO_x濃度の上昇は軽減されていた。虚血後常温群のNO_x濃度と虚血後低体温群1-3及び虚血後低体温群1-6のNO_x濃度には統計学的に有意な差が認められた。低体温の開始が早ければ早いほど、その効果は大きかった。虚血性内耳障害に対する虚血後の低体温は複数の代謝に多面的に保護効果を与えていると考えられるが、その機序の1つとして活性酸素の産生抑制が示唆された。
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