本研究は乳幼児のアレルギー性鼻炎発症に至るまでの遺伝的・環境的背景・局所組織所見等を検討することで、気管支喘息など他のアレルギー疾患の合併発症や鼻炎そのものの重症化の素因の予測をすることが目的であり、それらの検討は乳幼児アレルギー性鼻炎におけるearly interventionをいつから・どのように行うかの指標となる。乳児期より一定期間ごと、また感染などのエピソードごとに様々な角度からの項目を調査・集計中し、鼻汁染色結果との相関の検討をおこなっているが、吸入抗原が陰性であっても鼻汁好酸球の増加の月齢が早いほど、その後の気道アレルギーの発症が高い傾向にあった。しかし、本研究は前向き研究のため、対象例は本研究期間中では、まだアレルギー性鼻炎をはじめ、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を発症していない症例も多い。今後、幼児期~学童期となり感作抗原の増加や重症化が予想されるため、ひきつづき小児の動向を観察し、今回得られたデータを元に小児アレルギー性鼻炎の発症・重症化に寄与する因子を見出し、早期介入方法・時期に対する対応への手がかりとしたいと考える。
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