研究課題/領域番号 |
20791211
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
稲垣 彰 名古屋市大, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70405166)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2009年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 有毛細胞 / カルシウム電流 / T型カルシウムチャネル / 聴覚 / パッチクランプ / ウエスタンブロット |
研究概要 |
外有毛細胞が低電位で保持されていることに注目し、ラット内耳から作成したcDNAライブラリーを用いて、低電位活性型カルシウムチャネルのプローブを作成しPCRを施行した。その結果、CaV3.1のみ検出され、CaV3.2、CaV3.3では反応が見られなかった。次にin sutu hybridizationを行ったところ、内外有毛細胞に発現が見られた。CaV3.1に対する特異抗体を用いて免疫染色を行ったところ、外有毛細胞に特異的にCaV3.1の発現が見られた。ウエスタンブロッティングをおこなったところ、過去に報告されているCaV3.1よりやや小さい総体質量をもつバンドが検出され、内耳特異型のバリアントが示唆された。このため、外有毛細胞の電位依存性カルシウム電流についてパッチクランプ法を用いて解析したところ、T型由来と思われる、一過性のカルシウム電流を検出した。この電流成分のkinetics解析、薬理学的な特性の解析をしたところ、過去に報告されているCaV3.1、T型カルシウムチャネルの性質と大きく矛盾しない結果が得られ、形態的に観察されたT型カルシウムチャネルが、機能的にも役割を果たしているものと考えられた。 今後は内耳特異的なバリアントの検出と有毛細胞内のsubcellular localizationの検討を行う予定である。内耳特異的なバリアントの検出のため、ラット内耳由来のcDNAライブラリーからCaV3.1をPCR法を用いて増幅し、シークエンスをおこなったが、過去に報告のある脳型CaV3.1が検出された。最近、カルフォルニア大学デービス校より内耳特異的なT型カルシウムチャネルの報告があり、(J Neurophysiol. 2008 Oct ; 100(4) : 2287-99. )これらの報告がわれわれの検討と一致するかどうか、検討したいと考えている。
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