研究課題/領域番号 |
20791305
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久保 盾貴 阪大, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00362707)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2009年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 神経再生 / 皮膚線維芽細胞 / 神経突起 / 筋線維芽細胞 |
研究概要 |
先天性の二分脊椎や外傷性の脊髄損傷により感覚神経の機能を欠失した患者においてはしばしば創傷治癒が遷延する。それゆえ皮膚の感覚神経の神経突起が創傷治癒に関与している可能性がある。そこで我々は、神経突起が皮膚線維芽細胞を筋線維芽細胞へ分化誘導することにより創傷治癒を促進していると仮説をたて、本実験において神経突起による線維芽細胞の分化能とコラーゲンマトリックスの収縮能への影響を調べた。実験方法は下記の通りである。PC12細胞は神経細胞のcell lineであり、NGFの投与により神経突起を伸長させる。このPC12細胞を、NGF刺激し突起伸長しているグループ(PC12-NGF(+))と、NGF刺激せず突起伸長していないグループ(PC12-NGF(-))に分け、それらとSDラットの皮膚線維芽細胞を共培養し、筋線維芽細胞のマーカーであるα-Smooth Muscle Actin(SMA)の発現を免疫染色にて調べた。次にコラーゲンゲル内でPC12-NGF(+)又はPC12-NGF(-)と線維芽細胞を共培養し収縮能及びα-SMAのmRNAの発現量をreal time RT-PCRにて調べた。結果であるが、PC12-NGF(-)に比べPC12-NGF(+)の方が共培養における筋線維芽細胞への分化を誘導した。コラーゲンマトリックスアッセイにおいてPC12-NGF(+)の方がPC12-NGF(-)に比べ有意に収縮能を示し、α-SMAのmRNAを多く発現していた。本研究により、神経突起の存在が皮膚線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化誘導、及び創収縮能に関与していることが分かった。創においては感覚神経軸索も損傷されているが、神経再生を促すことで創傷治癒も促進される可能性を示した。
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