研究課題/領域番号 |
20791430
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森山 泰子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 学術研究員 (50452769)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2009年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2008年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | インプラント周囲炎 / スタチン / 骨再生 / 抗炎症 |
研究概要 |
インプラント周囲炎の治療法として、抗炎症・骨再生作用を兼ね備えた軟膏の作製を目的とした。高脂血症治療薬スタチンはコレステロールの生合成を阻害する働きがあり、全世界で使用されている副作用の少ない薬剤である。近年、このスタチンの骨形成作用が報告されており、我々は、歯科領域の骨再生に応用すべく研究を行ってきた。そして、ラット脛骨に埋入したインプラント周囲にスタチンを局所投与し、インプラント周囲骨の形成促進や石灰化促進することを明らかにした。また、このことに加え、近年さらにスタチンには抗炎症作用が報告されていることから、高脂血症治療薬スタチンを軟膏基剤に混ぜ、抗炎症、骨再生作用をもった、インプラント周囲炎の治療薬を作製し、効果を検討することとした。 ラット口腔内インプラントモデルは確立できたが、インプラント周囲炎モデルに関しては、炎症の判定に関して確定的なものが得られず、有意差が認められなかった。 軟膏基剤の選択は、高濃度のスタチンを各基剤に配合し、各基剤の特性を検討することとした。実験計画書にあるような溶出器Franz cellの使用が困難であったため、徐放したスタチンの量を吸光度にて計測した。その結果、白色ワセリン、プラスチベース、親水軟膏の順に溶出速度の上昇が認められた。よって、軟膏の基剤としては白色ワセリンが一番適当であると考えられた。 動物実験では軟膏の作用時間が長いことが理想的であるのに対して、軟膏の口腔内での安定状態はあまり良くないので、効果が期待できないことがわかった。したがって、軟膏を口腔内に塗布した後に、唾液による流出などを防ぐために膜などをかぶせるなどの再検討が必要である。
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