研究概要 |
本研究では,海綿骨の形態と組成を模倣した炭酸アパタイト(CAp)フォームを作製し,骨置換材としての有用性を検討した。α-第三リン酸カルシウム(α-TCP)フォームを炭酸塩水溶液中で水熱処理することで、三次元連通気孔構造は保持されたまま相変化しCApフォームが得られた。骨芽細胞の初期接着,増殖性,分化に関して評価した結果,CApは対照として用いたハイドロキシアパタイトと比較して優位に高い値を示した。また、破骨細胞による吸収窩も確認された。埋入4週間後の組織切片より、CApフォームのマクロポアーの内部に新生骨が形成され、その近傍では活発に骨形成が行われている様子が観察された。また、埋入された材料の一部が吸収されている様子も観察された。以上の結果から、α-TCPを4mol/L Na_2CO_3中に浸漬し、200℃で24時間水熱処理することで得られたCApフォームは骨リモデリングサイクルに取り込まれる骨置換材料として極めて有用であると結論付けた。
|