研究概要 |
我々は抗腫瘍免疫応答からのエスケープ機構の一因と考えられている、抗アポトーシス分子であるProteinase inhibitor 9(PI9)が口腔癌に発現しているか否か、またその発現の程度が予後予測因子となりうるかについての解析を行ってきた。まず、口腔扁平上皮癌細胞株よりm-RNA、Proteinをそれぞれ抽出し、RT-PCR法、Western blot法を用いて、PI9の発現の有無を解析したところ、それぞれm-RNA,PtoreinレベルでのPI9の発現を確認することができた。次に当科において口腔癌の一次治療を行った患者の臨床情報をデータベース化する作業を現在も引き続き継続している。また、患者サンプルを用いた予備実験を行い、口腔扁平上皮癌組織からそれぞれ抽出したm-RNA,ProteinからもPI9の発現が認められた。またこれも予備実験の段階ではあるが、口腔癌患者の組織標本を用いてPI9の免疫染色を行い解析した結果、癌部と非癌部でのPI9の発現の差が明確には認められなかった。
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