研究概要 |
骨細胞の細胞株について,semaphorinの受容体であるplexinのmRNA発現をRT-PCR法を用いて調べたところ,plexin受容体についてはA1,A2,A3,B1,B2,C1の発現が認められ,これらの受容体のうち,A1,A2の経時的な発現上昇が認められた.骨細胞株がsemaphorin 3Aを産生しており,骨細胞にsemaphorin 3Aのリコンビナントタンパク質を作用させたところ,細胞突起の伸張や分化において重要なE11,connexin43,DMP1のmRNAおよびタンパク質発現も上昇していた.マウス大腿骨欠損部に対してsemaphorin 3Aのゼラチンハイドロゲルを用いた組織内徐放による顎骨再生の組織学的解析を行ったところ,骨塩濃の上昇,石灰化領域の増加が認められた.本研究の結果,in vitroにおいて,semaphorin 3Aは骨細胞に作用し,分化および細胞突起伸長に関与することが明らかとなった.また,in vivoおいても骨の成熟を促進する可能性が示唆された.
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