研究概要 |
唾液腺癌細胞を用いて薬剤耐性機構の解析をおこなった結果,頭頸部癌の抗癌剤多剤耐性獲得機構にはmultidrug resistance gene (MDR) 1, multidrug resistance associate protein (MRP)1およびグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)-piが関与し,特に唾液腺癌細胞では,MDR1に加えGST-piの発現に伴うMRP1の薬剤排泄機能の亢進が明らかとなった。従って,これらABC transporterの発現が癌化学療法における治療抵抗性因子として考えられた.すなわち,唾液腺癌における抗癌剤耐性克服には,MDR1の薬剤排泄機構に加え,GST-piで触媒される解毒抱合体を基質とするMRP1の薬剤排泄機構を阻害することが分子標的として考えられた.
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