歯の大きさの研究モデルとして選出した2系統のラットの上顎および下顎骨長径・高径・厚径を計測した結果、歯の大きい系統は下顎骨も大きく、歯が小さい系統は下顎骨が小さかった。正逆交配したF1世代では、母親が大きい系統×父親が小さい系統群の歯と下顎の大きさは、母親が小さい系統×父親が大きい系統群よりも大きくなる傾向を示し、歯と顎ともに、大きい性質が優位に遺伝した。連鎖解析より、歯の大きさに関与するX染色体末端部は、下顎骨長径・高径・厚径には関与していなかった。歯と顎の大きさは遺伝様式に類似点は認めたが、関連する遺伝子座に違いがあることが示された。
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