研究概要 |
褥瘡発生および褥瘡の治癒遅延要因として着目されている皮膚の浸軟について,病態動物モデルを用いて病理学的検討を行った.本研究結果より,皮膚の浸軟状態は,肉眼的に判定できない場合でも,組織学的には褥瘡を発生しやすい状況にあり,すでに皮膚傷害をきたしている可能性があること,また,できてしまった褥瘡の治癒を遅延させる可能性があることが示唆された.これらのことから,皮膚が浸軟しやすい要因をもつ患者に対しては,より積極的に褥瘡予防に配慮する必要性があること,また,褥瘡を治癒に向かわせるためには,皮膚の浸軟状態も十分に考慮する必要性があることが考えられた.
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