研究概要 |
本研究は,費用便益分析の観点から動学的最適化型マクロ経済モデルを用いて気候安定化政策を理論的かつ実証的に評価した.理論分析において,等価的偏差(EV)を効用の変化分を貨幣タームで評価した福祉効果,生産および排出権収入の変化による所得変化効果,社会的費用を表す投資の変化分の各効果に分割できることを示した.一方,実証分析において,気候安定化政策が厳しくなるほど,気温変化による効用関数への影響を考慮しない場合,全地域のEVが減少するのに対して,効用関数への影響を考慮した場合,全地域の福祉効果が確認され,かつEVが増加する地域と減少する地域に分かれることを示した.
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