研究概要 |
日本の漢文訓読の研究は目覚しい成果をあげ,日本語史の研究に多大な貢献をしたばかりでなく,漢文訓読が日本の知識文化の形成に深く関与したことを解明しつつある。本研究課題の代表者は,日本書紀中の中国口語起源漢語の箇所の訓点資料を具体的に調査して,研究成果の一として此の問題に正面から取り組んだ始めての単行研究書『日本書紀における中国口語起源二字漢語の訓読』を刊行し得た。また,初唐末に翻訳が成立して間もなく日本に将来され大きな影響を与えた金光明最勝王経の平安初期訓点資料を調査して,この問題に関する考察を行い専門学会である訓点語学会で研究発表した。これらを通して,日本の漢文訓読という学習形態の特徴を解明した。
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