研究課題/領域番号 |
20830036
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
内ノ倉 真吾 静岡大, 教育学部, 助教 (70512531)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,289千円 (直接経費: 2,530千円、間接経費: 759千円)
2009年度: 1,521千円 (直接経費: 1,170千円、間接経費: 351千円)
2008年度: 1,768千円 (直接経費: 1,360千円、間接経費: 408千円)
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キーワード | 理科教育 / アナロジー / コンテクスト / 科学史 |
研究概要 |
平成20年度は、第一に、既存のアナロジー研究を整理し、第二に、本研究で取り得る3つのアプローチ(意味論的、語用論的、科学論的アプローチ、詳細は後述)に基づいて分析の観点を設定することを中心的な研究課題とした。 分析観点を設定するための3つのアプローチは、以下の通りである。まず、意味論的アプローチとして、アナロジー研究でよく知られたゲントナー(1983)の「構造写像理論」、ホリオークとサガード(1995)の「多重制約理論」、認知意味論の中心的な理論となっているレイコフ(1993)の「概念メタファー写像理論」を相互に比較し、アナロジー的推論の基本的な認知プロセスおよびその特質を把握した。次に、語用論的アプローチとして、ことばの意味に関する字義主義とコンテクスト主義の関係を整理し(例えば、レカナティ、2006)、言語学や理科教育のコンテクスト論(例えば、ハリデーのコンテクスト論;ギルバート、2007など)、物語(ナラティブ)論(例えば、ブルーナー、1998;野家、2005)を精査することを通じて、理科教育において「コンテクスト」(目標、文脈、状況など)を構成する要素を検討した。さらに、科学論的アプローとして、科学史・科学哲学の知見(例えば、ヘッセ、1986)、科学的営みの心理学的研究(例えば、ダンバール、1999;植田、2000)を参考にし、現在教授ストラテジーとして用いられているアナロジーが、どのような科学の営みの中に置かれていたのかを確認し、理科授業と比較・対照した。その結果、アナロジー的推論を促進する要因となりうるコンテクストの性質に関する知見が得られた。
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