研究概要 |
本研究の目的は,わが国における慢性不眠症に対して,欧米で積極的に導入が進められている認知行動療法を実施し,その効果を明らかにすることであった。本研究では,(1)不眠とうつの関連性を調べるための縦断的調査,(2)慢性不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)に関するメタ分析,(3)睡眠薬長期服用中の慢性不眠症患者に対するCBT-Iの実施を行った。その結果,(1)不眠の慢性化がうつの発症・継続のリスク要因になること,(2)慢性不眠症に対してCBT-Iが有効であること,(3)CBT-Iは睡眠薬を減量しても不眠症状と抑うつ症状の軽減をもたらすことが明らかとなった。
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