研究課題
若手研究(スタートアップ)
将来デバイスの有力候補である光デバイスは、表面プラズモンを情報伝達に用いる事で素子の微細化が可能になると考えられている。この技術は「プラズモニクス」と呼ばれる。プラズモニクス素子を正しく設計する為には、表面プラズモン波束の伝搬、減衰、干渉といった基礎的な光学的性質の理解が必要である。研究代表者(久保)らは、現在までに超高速分光技術と電子顕微鏡技術を組み合わせる事により、光速に近い速度で伝搬する表面プラズモン波束の動的映像化に成功している。しかし、使用できる光波長が近紫外域に限られる等の制限があった。本研究では、この問題を克服しより広範な応用が期待できる近赤外域の表面プラズモン波束の動的映像化技術の開発を目指した。装置はフェムト秒チタン・サファイアレーザーオシレーター、ディレイライン、および光学顕微鏡からなる。チタン・サファイアレーザーから波長780nm、パルス幅10fsの近赤外パルス光を出射する。本年度は、これら光学系の製作を行った。チタン・サファイアレーザーはチャープミラー対による群速度分散補償を用い、稼動部を減らし安定動作を目指した。また、超長作動距離対物レンズとスロースキャン冷却CCDカメラからなる光学顕微鏡を製作した。また、前述の表面プラズモン動的映像化の技術に対し角方面から強い関心が持たれ、解説記事(日本語)にまとめると共に、国際会議2件、国内研究会・セミナー等6件の招待講演を行った。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件)
Journal of the Vacuum Society of Japan 51
ページ: 368-376
10021157633
Physical Review B 78