研究課題/領域番号 |
20850004
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 優章 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (90506891)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,276千円 (直接経費: 2,520千円、間接経費: 756千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,716千円 (直接経費: 1,320千円、間接経費: 396千円)
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キーワード | ポルフィリノイド / 環拡張ポルフィリン / 芳香族 / アヌレン / ヘキサフィリン / 金属錯体 / 芳香族性 / ポルフィリン |
研究概要 |
非線形光学材料及び光線力学療法剤創製を目指して、新奇なポルフィリン類縁体の合成に着手した。まず、既知の方法を参照しオリゴピロール原料合成を行ったが、文献に記載されていない問題点を発見しこれを改善、副生成物のできない手法を確立した。また、これまでは導入困難で他のヘテロ環と比較して報告例の少ないピリジン環を持ったオリゴピロールの合成法も見出した。標的化合物として定めたβアルキルヘキサフィリン(1.1.1.1.1.1)は、フリーベース・中性の状態で不安定であるためか、反応の再現性が乏しく、プロトン化状態での同定しか行われていなかった。合成法を見直し、酸化前中間体を単離する手法を採ったところ、最終段階の精製作業が大幅に簡略化し、再現性が向上しただけでなく中性状態のプロトンNMRスペクトルの測定も可能になった。その結果、プロトン化状態と同じように2箇所のメゾ位が内側を向いていることがわかった。さらに、亜鉛錯体にすることで安定性が増すことも分かった。強い芳香族性とポルフィリンに類似した光吸収特性を示した。ヘキサフィリン(1.1.1.1.1.1)の亜鉛錯体あるいはメゾフリーヘキサフィリン(1.1.1.1.1.1)の金属錯体において母核の芳香族性を維持したのは共に初めてである。また、X線結晶構造解析にも成功した。しかしながら他の金属錯体に合成は成功しなかった。一方で、単離した中間体の金属錯体化も試みた。原料にトリピランを用いると前駆体は分子内に2つのジピリンユニットを有した非共役環状構造になるが、種々検討した結果、BF_2錯体とRh(CO)_2錯体の合成に成功した。
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