研究課題/領域番号 |
20850022
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長田 裕也 京大, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60512762)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,276千円 (直接経費: 2,520千円、間接経費: 756千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,716千円 (直接経費: 1,320千円、間接経費: 396千円)
|
キーワード | らせん高分子 / クラウンエーテル / ポリキノキサリン / リビング重合 |
研究概要 |
我々のグループでは、キラル開始剤を用いたジイソシアノベンゼンの不斉リビング重合に関する研究に取り組んできた。この重合で得られるポリキノキサリンは、キラル開始剤由来の末端部位の影響を受けて、安定な光学活性らせん構造を形成することが既に明らかになっており、また、容易に側鎖を修飾することができるという特徴を有している。本研究ではこのような利点に着目し、側鎖にクラウンエーテルを有するポリキノキサリンを合成し、そのキラルゲスト取り込みについて検討を行った。 (1) 側鎖にクラウンエーテルを有する一方向巻きポリキノキサリンの合成 新規に合成したクラウンエーテルを有するジイソシアノベンゼン誘導体モノマーをアキラル開始剤あるいはキラル開始剤を用いて重合した。ここで用いたモノマーはこれまでに知られていた方法では合成困難であったため今回新たに分子設計を行い、合成ルートの開拓を経てクラウンエーテルを有する一方向巻きポリキノキサリンの合成に至った。 (2) クラウンエーテル修飾ポリキノキサリンの包摂特性評価 次に、得られたアキラルなクラウンエーテル修飾ポリキノキサリンの溶液に対し、S体及びR体の1-フェニルエチルアミン過塩素酸塩(以下(S)-PEA及び(R)-PEAと表記)を加え、CDスペクトル測定を行ったところ、ポリマー主鎖由来の吸収領域に強いコットン効果が観測された。標品との比較から、(S)-PEAは左巻き構造を誘起し、(R)-PEAは右巻き構造を誘起しており、ポリマー主鎖はゲスト分子のキラリティーを反映した光学活性らせん構造をとることがわかった。 本研究はらせん高分子を用いた不斉誘起によって微小空間のキラル制御を達成したものであり、高性能分離材料、選択的イオン伝導材料、薬物送達材料、不斉触媒など、多くの機能性材料への展開が期待されるため非常に意義深いものであると考えられる。
|