研究概要 |
本研究の目的は,採血を受ける子どもを対処行動から非効果的群と効果的群に分類し,非効果的な対処行動をとる子どもの関連要因を明らかにすることである。小児科外来で採血を受ける3歳から6歳の子どもと保護者49組を対象とし,保護者による質問紙調査と採血場面の参加観察法を実施した。その結果,非効果的群12名,効果的群35名に分類され,非効果的群は効果的群に比べて年齢が有意に低かった。また,採血前の保護者の予測と採血前の子どもの行動において,情緒スコア,協力行動スコアが有意に高く,採血時に対処行動を上手くとれない子どもは,保護者も予測しており,採血前から落ち着かず協力的でない行動を表出していた。以上より,採血を受ける子どもに対して,採血前に年齢,保護者の予測,採血前の子どもの行動を把握することが重要であり,これらをアセスメントすることで個別性を兼ね備えたプレパレーションにつなげられることが示唆された。
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