本研究の目的は血液・腫瘍疾患をもつ学童・思春期の子どもの長期フォローアップへの移行期における生活の実態と影響要因を明らかにすることである。4組の骨髄移植を受けた思春期の子ども(11~14歳)と親に半構成的面接を行い、質的に分析した。 その結果、骨髄移植を受けた思春期の子どもの長期フォローアップへの移行期における生活と影響要因には、薬剤投与、日焼け・感染予防、外来受診に関連した特徴がみられた。 1.長期フォローアップへの移行期にある骨髄移植を受けた思春期の子どもは、薬剤投与を継続しており、副作用への対応や処置は病気を治すために必要と認識し、主体的に対応していた。 2.日焼け・感染予防においては、必ずしも必要性を理解していなかったが、自分のできることを把握し、活動への参加方法を工夫することで、自分の望む生活に近づくよう調整していた。 3.子どもは生活に受診を組み込んでいたが、受診を継続しながらの将来の生活は考えていなかった。子どもの生活には、必要な療養行動は促すが、診断から5年経過するまでは詳しい晩期合併症の理解は求めない親のかかわりが影響していた。 4.子どもの生活には、認知発達段階、疾患・治療・必要な療養行動に関する繰り返しの説明、入院中の経験、子どもに根拠の理解は求めないが必要な行動は促す親のかかわりが影響していた。 結果より、子どもが自己の身体に関心をもち続け、必要な療養行動を身につけられるよう支援すること、発達段階に沿った晩期合併症のリスク行動についての理解を促すこと、子どもがやりたい活動への参加方法を子ども自身が調整できるよう支援することの重要性が示唆された。
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