研究課題/領域番号 |
20890048
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊地 良直 東大, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90512260)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,302千円 (直接経費: 2,540千円、間接経費: 762千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,742千円 (直接経費: 1,340千円、間接経費: 402千円)
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キーワード | 癌幹細胞 / 癌幹細胞ニッチ / Notch / LMP2A / ウイルス発癌 |
研究概要 |
本研究の実施開始後、これまで報告されている癌幹細胞の表面マーカーに関する否定的見解がいくつか報告されたこともあり、まず我々の研究室で従来研究しており、またNotchシグナルの亢進が報告されているLMP2Aに焦点をあてた解析を進めた。既に作製されていたNotchレポーター(Notch R)マウスとLMP2Aトランスジェニックマウスの交配による解析を行ったが、胃粘膜上皮にNotchシグナルは観察されなかった。また、癌遺伝子の同定に従来用いられてきたNIH3T3(マウス線維芽細胞株)にLMP2AおよびNotch Rのコンストラクトをトランスフェクションした細胞においても、シグナルは観察されなかった。しかし、このLMP2A-NIH3T3細胞をヌードマウスの皮下に移植したところ、腫瘍形成が確認され、さらに形成された腫瘍から回収した細胞株の再移植実験では移植前のLMP2A-NIH3T3細胞より高い腫瘍形成能が確認された。これらの細胞に関して、癌幹細胞の指標であるside population(SP)分画の解析やコロニー形成実験を行ったところ、LMP2A-NIH3T3細胞でSP分画やコロニー形成能の増加が認められた。以上の実験は、ウィルス由来遺伝子であるLMP2Aが癌幹細胞分画を増加させる何らかの機能を有している可能性を示唆し、ウィルス発癌研究の新しい知見といえる。現在は、LMP2A-NIH3T3細胞のmRNA microarrayより得られたデータのNotchシグナルを含めた解析、ラット胃正常上皮細胞を用いた同様の実験、ニッチ形成を解析するための免疫不全(rag2 欠損型)Notch R マウスの作製、LMP2A/H-rasトランスジェニックマウスの作製を行い、解析を行っている。
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