研究課題/領域番号 |
20890057
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大野 貴之 東大, 医学部附属病院, 助教 (00505894)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2009年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2008年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病 / 糖尿病網膜症 / 冠動脈疾患 |
研究概要 |
東大病院において冠動脈血行再建術を受けた糖尿病網膜症患者の調査からその20-30%の患者は術前胸部症状がなく、他科の術前査で偶然診断されていた。従って糖尿病網膜症患者に未診断・未治療の慢性冠動脈疾患患者が多数潜んでいる可能性があると考えられる。その結果、東大病院において2007年4月より糖尿病網膜症患者を対象として冠動脈疾患の早期診断を行う専門外来を開設した。この専門外来では眼科、糖尿病・代謝内科の協力を得て、明らかな狭心症症状を有さなかったため循環器科の受診を積極的に考慮していなかった糖尿病網膜症患者を紹介してもらい、第一スクリーニング検査(運動負荷心電図、冠動脈CT、負荷心筋SPECTのいずれか)を行った。第一スクリーニング検査に冠動脈疾患を強く疑った場合は冠動脈カテーテル造影検査を施行した。その結果、2008年3月31日までに245人の患者が当専門外来を受診し168人の診断が終了した。初診時まった<胸部症状を認めない患者は144人(86%)、安静時心電図異常を認めない患者は119人(71%)であった。168人中、第一スクリーニング検査で冠動脈疾患疑いありとされた54人(32%)にカテーテル検査が施行され、42人(25%)に冠動脈有意狭窄を認めた。3枝病変を21人(14%)、左冠動脈前下行枝病変(左冠動脈主幹部病変[8人]を含む)を34人(20%)に認めた。血行再建術の適応と判断したのは35人(21%)で、2008年3月31日までに11人(7%)がCABG、17人(10%)がPCIを受けている。糖尿病網膜症患者から優先的に慢性冠動脈疾患の早期診断・治療することにより糖尿病患者全休の生命予後を効果的に改善できると考えている。
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