研究概要 |
われわれは、Kelch-like ECT2 binding protein(KLEIP)を単離し、KLEIPがMDCK細胞において細胞接着に関与していることを見出した。今回、われわれは膀胱癌におけるKLEIPの発現を免疫組織学的手法を用いて検討した。 まず、代表的な膀胱癌細胞株のKLEIPの発現について免疫蛍光法で検討した。調べた細胞株のすべてにKLEIPは発現していた。蛍光免疫染色法を用いたGolgi makerとの多重染色の結果,膀胱癌細胞株においてKLEIPはGolgi装置に局在していることを明らかにした. 次に、抗KLEIP抗体を用いた免疫組織学的染色法で膀胱正常組織と膀胱癌のKLEIP発現量を検討した。その結果、KLEIP発現量は癌の悪性度と相関がある可能性が示された。以上より、抗KLEIP抗体による免疫染色法は悪性度判定の新しいツールとして有用であると期待された。
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