研究概要 |
細胞外マトリックスタンパク質POEM(pre-osteoblast epidermal growth factor-like repeat protein with meprin, A5 protein, and receptor protein-tyrosine phosphatase μdomain)は、強い細胞接着能を有し、骨および腎臓の器官形成における細胞-細胞外マトリックスの相互作用に重要な役割を果たしていると考えられている。骨芽細胞前駆細胞は、骨の形成すべき場所に遊走し、増殖・凝集しながら機能的な成熟骨芽細胞に分化するが、この過程には種々の細胞接着因子が関与していると考えられている。POEMは未分化な骨芽細胞で発現が高く、その発現制御機構を解明することは、骨形成と細胞接着の関連を検討していく上で重要である。しかし、骨芽細胞におけるPOEMの発現制御機構とその生理作用はほとんど明らかになっていない。そこで、発現制御機構を明らかにしていくとともに、骨においてPOEMがどのような生理的機能を果たしているかを解明することを目的とした。まず、5'RACE法によって、転写開始点の決定を行い、その結果をもとに、TGF-βによるPOEMプロモーター活性の解析を行った。POEMプロモーター1Kb,2Kb,3Kbにおけるプロモーター解析を行ったが、この領域でのTGF-βによるPOEMプロモーターの制御は認められなかった。
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