研究課題
若手研究(スタートアップ)
健常成人および32名の生体腎移植患者の血液を用いて、蛍光色素CFSE(carboxylfluorescein diacetate succinimidyl ester)染色Tリンパ球の増殖により免疫抑制薬の効果をフローサイトメトリー(flow cytometry ; FCM)により解析するCFSE-FCM法を開発した。これにより、シクロスポリン(cyclosporine ; CSA)、タクロリムス(tacrolimus ; TAC)およびプレドニゾロン(prednisolone ; PRD)の効果の個人差は大きいが、ミコフェノールモフェチル(mycophenolic acid ; MPA)の個人差はほとんどないことが明らかとなった。また、CSA高感受性群では、感染症の発生率が有意に高かった。これにより、移植後の血中濃度モニタリングのみでなく、移植前にCFSE-FCM法を用いた薬物感受性試験を施行することで、予め最適な薬剤の量および種類の選択および移植後の臨床事象の発症の予測が可能となるものと示唆された。つまり個々の患者の正確で客観的な情報に基づいた安全で効果的な免疫抑制療法の施行が可能となる。
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Clinical Pharmacology&Therapeutics 86(3)
ページ: 285-289
Clinical Pharmacology & Therapeutics 86
今日の移植 21巻6号
ページ: 602-604
今日の移植 21