研究課題/領域番号 |
20900002
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小長井 一男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50126471)
|
研究分担者 |
千木良 雅弘 京都大学, 防災研究所, 教授 (00293960)
塩原 等 東京大学, 大学院工学系研究科, 准教授 (50272305)
平田 直 東京大学, 地震研究所, 教授 (90156670)
MORI James J. 京都大学, 防災研究所, 教授 (50314282)
桑原 保人 産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 副研究部門長 (50183801)
古屋 正人 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (60313045)
孫 文科 東京大学, 地震研究所, 准教授 (10323651)
池田 安隆 東京大学, 理学系研究科, 准教授 (70134442)
渥美 公秀 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 准教授 (80260644)
塩原 等 東京大学, 工学系研究科, 准教授 (50272365)
|
連携研究者 |
釜井 俊孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (10277379)
福岡 浩 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40252522)
汪 発武 京都大学, 防災研究所, 助教 (10324097)
高橋 良和 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10283623)
大町 達夫 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (90126269)
川島 一彦 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (19656110)
河野 進 京都大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30283493)
壁谷澤 寿海 東京大学, 地震研究所, 教授 (00134479)
中埜 良昭 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10212094)
宮澤 理稔 京都大学, 防災研究所, 助教 (80402931)
飛田 幹男 国土地理院, 地理地殻活動研究センター, 地殻変動研究室長 (40370811)
島田 政信 宇宙航空研究開発機構, 地球観測研究センター, 研究領域リーダ (90358721)
狩野 謙一 静岡大学, 理学部, 教授 (30090517)
林 為人 海洋研究開発機構, 高知コア研究所 (80371714)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20207038)
矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (80231679)
梶谷 義雄 電力中央研究所, 地球工学研究所, 主任研究員 (80371441)
|
研究期間 (年度) |
2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
キーワード | 内陸巨大地震 / 地盤変形 / 大規模斜面災害 / 活断層 / 耐震診断 |
研究成果の概要 |
2008年5月12日に中国四川省汶川県付近を震源とするマグニチュード(M)7.9(米国地質調査所)の内陸巨大地震が発生し、死者7万人、行方不明者2万人に達すると推定される甚大な被害がもたらされた。この地震を引き起こした断層の長さは280km程度と推定され、内陸部で発生した地震としては最大級の地震である。我が国の内陸部でも、これまでに、M8級の巨大地震として1891年濃尾地震が発生し、7200名余の死者を出し、今後もM8級の地震が発生する可能性が指摘されている(糸魚川―静岡構造線断層帯、富士川河口断層帯や中央構造線断層帯など)。しかし、近年発生した最大規模の被害地震は平成7年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で、M7.3、断層の長さ50km程度であり、M8級の巨大地震の発生機構は十分に明らかにされていない。また今回の地震では断層沿いの山地に大量の不安定な土石が残されていて、下流域にとって土石流などの深刻な不安材料となっている。強烈な揺れへの対応とあわせ、長期に及ぶ復興の課題に資する科学的調査もまた重要である。このような理学・工学そして社会対応に至るまであらゆる局面から本地震の実態と、その影響を科学的に検証していくことは、我が国の内陸における巨大地震の発生機構の解明に資するのみならず、地震災害の軽減、そして合理的な復興戦略策定に資するデータを提供することに繋がり、我が国の防災戦略に役立つ。このような観点で中国地震局を正式なカウンターパートとしての共同調査を行った。主要な調査対象は(1) 斜面災害、(2) 社会基盤施設被害、(3) 建築・家屋被害、(4)地震学的分野、(5) 地殻変動、(6) 活断層、(7) 救援・復旧支援活動及び経済的影響、の7領域に及ぶ。これらの調査の中で、「だいち」(JAXA)「だいち」の緊急観測やALOS衛星画像の解析などで中国側に重要な情報を提供できた。このなかにはInSAR画像の解析や、5万㎡以上の面積の斜面崩壊分布を明らかにしたことなどが挙げられる. また, 現地調査でも衛星で確認された崩壊地で白雲岩などの炭酸塩岩に最も多くの崩壊が発生していることや、崩壊の方向に指向性があることなどを見出した. さらに社会基盤施設や建築物・家屋の崩壊について個別の調査を行い、それぞれを詳細なレポートとしてまとめている。一方で、現地は物理的にも立ち入り困難な場所があり、その被害の全貌を把握することは単年度の本研究の枠を超えて進めるべき課題で、今後の相互の学術発展のみならず有効な復旧戦略構築のためにも日中の協力の枠組みを強化することがいよいよ重要である。
|