研究概要 |
○研究目的 今日の理科教育において「どのような素材を用いて,どのようにして科学的思考力を育成するか」という事に対する教員の関心は非常に高い。そこで,本研究は,野外で観察される身近な地質素材を取り上げ,生徒達が自分たちの目で観察し,探究活動を通してその自然情報を読解し,さらに検証実験を行うことにより,地質素材の成因等について科学的に考察するための教育プログラムを数多く開発することを目的とした。これらの教育プログラムの実践に適した地質素材を選定・採取し,地質素材そのものや,素材を撮影した写真を用いて,「素材の提示」,「基本的な説明」,「観察の視点」,「情報の読解」,「理論に基づく解説」,「読解に対する検証」という流れの中で,段階的に自分自身で探究的に自然情報の読解を進められるような教育プログラムを開発した。 ○研究方法 1 自然情報の読解に適した地質素材に関する調査・研究 2 自然情報読解に適した地質素材の採取と,各素材の野外での産状の撮影・記録 3 各素材の撮影・記録と,各素材の切断・研磨等,観察に必要な加工作業 4 各素材ごとのそれぞれ効果的な観察方法や教育プログラムの開発 5 撮影した写真を用いて,段階的・探究的に自然情報の読解を進められる実習テキストの作成 ○研究成果 探究的な観察と簡単な検証実験により,身近な岩石や地層等の自然素材の情報を読解する開発プログラムを,中学校・高等学校の教員を対象とした研修講座において実践した結果,生徒の科学的思考力を高めるために効果的なプログラムであるとの評価を得た。 ○研究成果の普及 1 教育プログラムの印刷・製本およびWebサイトでの公開 2 小冊子「石の声を聞こう」の各学校・研究機関への配布 3 教員研修講座の実施 4 研究論文の発表
|