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日本占領期インドネシアにおける「慰安婦」の記憶-スマラン事件に関する考察

研究課題

研究課題/領域番号 20911009
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 地理学・文化人類学・地域研究
研究機関早稲田大学

研究代表者

山本 まゆみ  早稲田大学, 文学学術院, 非常勤講師

研究期間 (年度) 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
570千円 (直接経費: 570千円)
2008年度: 570千円 (直接経費: 570千円)
キーワードcomfort women慰安婦 / discourse言説 / politics言説
研究概要

当研究は、1990年からつづく、あまりにも政治化した慰安婦言説に警鐘を鳴らし、慰安婦研究が脱政治化へと軌道修正をすることを目指し、1990年代前半の出版・研究言説から浮かび上がった「強制〔連行〕」をキータームとし、言説の政治化過程を検証した。
当研究調査では、その言説を補助する史実として繰り返し登場するジャワ島中北部で1944年3月に起こった「スマラン慰安婦事件」に関する資料をオランダ公文書館で精査した。本事件は、慰安婦の女性たちが、敵性国人収容所から強制連行されたこと、日本軍上層部が状況を知りこれら慰安所を開設後2ヶ月あまりで閉鎖したこと、和蘭BC級戦犯裁判で2年余という異例の長さを費やし調査・審理したことから、日本軍のみならず当時の和蘭政府も「異常」な事件と認識していたことが明白となった。
慰安婦言説の政治化を支える強制連行というキータームが、曖昧になりつつある近年、強制連行の代わりに単なる強制という言葉や権力という言葉に置き換え、言説に政治性を付帯させるという技法のほか、特殊例であったはずの「スマラン」が、慰安婦「強制連行」を支える一般例として登場し言説の政治性を精鋭していることが明確になった。
本研究の意義及び重要性は、調査結果を踏まえ2009年3月にシカゴで開催された米国アジア学会年次学会で慰安婦言説の脱政治化を目指し発表した「慰安婦言説政治化への過程:スマラン慰安婦事件について」に対する歴史研究者の反応からも窺えた。当研究が警鐘を鳴らした歴史の過剰な政治化への懸念は、多くの歴史研究者から賛同を得ただけではなく、発表後、「近年慰安婦問題だけに拘わらず、単に語り出版することで「真実であった」かのように認識される現象を、研究者は真剣に考えなければならない時期に来ている」とし、世界史学会の一部の研究者たちが、「次期学会で慰安婦問題を取り上げよう」という意見を述べていただけでも大きな意義があったと考える。

報告書

(1件)
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] The Emergence of the Comfort Women Discourse2009

    • 著者名/発表者名
      Mayumi Yamamoto
    • 学会等名
      Association for Asian Studies
    • 発表場所
      米国シカゴ(session201)
    • 年月日
      2009-03-28
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://sites.google.com/sites/aas2009comfortwomen/

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

URL: 

公開日: 2008-04-01   更新日: 2016-04-21  

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