研究概要 |
研究目的 2004年割型に紐の結び目経路を形成し,その経路に紐を導入後,割型を離間し結び目を得る結索方法を開発した.この結索方法は,理論的上全ての結び目を得ることが可能である.そのためこの結索方法を用い,従来は人間の手でしか行われなかった複雑な結び目である,「蝶結び」が結索可能な結索機の開発を行い,本結索方法及び装置の有効性を検証する. 研究方法 1. 型設計製作・導入実験:蝶結び経路と,2本の蝶形状生成ロッド挿入部及び,被結索物挿入用開口部を持つ割型の設計を行い,型製作後,断面形状や弾性の異なる11種類の紐による割型への導入実験を行い,蝶結び結び目が得られるかの検証を行った. 2. 装置設計製作:装置設計においては,紐の固定開放や型の開閉にはエアーシリンダ,紐の吸引にはサクションガンを用い全ての動作を圧縮空気で行う設計とした.装置製作は,ジュラルミンを主材料にして技術支援センター工作機械で製作し,一部を外注製作した. 3. 動作実験及び,改良型設計製作:装置と割型の動作実験を行った.当初,蝶結びの結び目中央部分を上方からエアーシリンダで押さえ,紐の両端を引いて結び目を得る構想であったが結び目が得られず,割型の改良が必要と判断されたため,改良型の設計製作の後再度動作実験を行った. 研究成果 実験の結果,被結索物の結び目形成面と,蝶形状生成ロッドは同一平面にあることが望ましく,この距離が増加すると結び目形成が難しくなることが判明した.当初設計した割型は蝶形状生成ロッドが被結索物の上方に配置され軸方向のみ移動が可能あり,その距離も大きかったため結索が不可能であった.改良型は分割数を増やし,ロッドを左右上下に移動可能にし,ロッドの操作と,紐両端を均等に引くことで結索が可能となった.ロッド操作と両端を引く操作の自動化による結索は今回成功に至らなかった.動作速度や移動行程の解析が今後の課題である.
|