| 研究概要 |
本研究では,ロボットを人間の代わりに用いるのではなく,ロボットと人間の動作を協調し,ロボットの精密な動作,人の判断による柔軟な動作を利用することで,高度な作業が可能となるスキルアシスト装置を検討した.提案した装置は2自由度のロボットハンドからなり,可動節上の関節はアクチュエータを配置せず,人間によって回転される.その時に生じる回転変位を計測し,ベース上に配置したアクチュエータに連結されている関節を制御し,ロボットハンドと人の手指によって把持した出力点を高精度に操れる. まず,スキルアシストロボットハンドの制御系を検討するとともに,機構の動作シミュレーションを行うプログラムを作成した.同プログラムを用い,ハンド先端を人が動作させたとし,動節上の関節の回転変位から,検討した制御系でベース上のアクチュエータの制御指令値を決定して場合の,ロボットハンドの動作を検討した.その結果,ロボットハンドの特異姿勢や,提案する装置特有の制御不能となる,位置・姿勢などを明らかにし,同条件を避ける,また,同条件を通過する制御系を構築した.次に,実際にロボットハンドを製作し,計測・制御系の構築を行った.製作された装置を用いて,機構および制御系を調整した後に,直線動作,円弧動作を対象とした実験を行った.実験では,右利きの被験者が左手で,以上の動作を複数方向,複数条件で行い,先端の運動を画像記録装置,タブレットなどを利用して計測した.その結果,直線動作および円弧動作それぞれにおいて,複数の方向,半径で,人間の運動を補助することで,数mmの誤差しか生じない軌跡を描けることが確認できた. さらに,以上の結果を総括しより複雑な動作をアシスト可能とするための,ブレーキやクラッチを付加した機構系に関する設計指針を明らかにしている.
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