研究課題/領域番号 |
20F18774
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
齋藤 一弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30195979)
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研究分担者 |
ROZWADOWSKI TOMASZ 筑波大学, 数理物質系, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 液晶 / 結晶化 / 細孔 |
研究開始時の研究の概要 |
分子がどのように凝集し,そこでどのように運動することによって物質が発現するかは,分子集合体の物性科学として最も基本的な問いである.最近では,特に,特定の方向についてナノスケールの大きさを持つ空間に閉じ込められた場合が注目されている.本研究では,分子の変形をも考慮する必要があると予想される液晶性化合物の挙動を解明する. 具体的には,液晶秩序,結晶化あるいはガラス化にどのように影響を受けるか,またそのメカニズムがどのようなものかを明らかにする事を目的とし,ナノ細孔を持つ物質に吸蔵させて空間的制約を加えた下での,相図,分子運動,ガラス転移・結晶化挙動を精査し,解析を行う.
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研究実績の概要 |
相挙動が異なる複数の液晶性化合物について,熱分析的手法(示差走査熱量分析,光学顕微鏡観察,透過光量熱分析など)とX線回折を用いた実験を実施し,ポーランドでの実験結果(主として誘電分散測定)も利用して解析を行い,以下の成果を上げた. a) 液晶相からの結晶化:複数の駅斉唱物質について,温度走査速度に依存した相挙動とその背後にある分子運動状態を詳細に調べた.冷却速度が大きいと結晶化は起きず,液晶相のガラス状態へとガラス転移が起きた. b) 液晶相からの冷結晶化:液晶性の5CPB5では,DSCでの実験により,冷却速度が小さい場合には液晶相であるHexB相からの結晶化が完了するが,冷却速度が大きい場合には完了せずに加熱時に冷結晶化が起きた.結晶化挙動の速度論的な解析により,冷却時に完了する結晶化は熱力学的に駆動されているのに対し,不完全な結晶化と冷結晶化はいずれも,分子運動が結晶成長を支配していた.しかも,不完全な結晶化と冷結晶化は,温度変化の方向が逆であるにもかかわらず,単一の理論式で記述された.このことは,冷却時の結晶化と冷結晶化という外見的な区別以上に,結晶化を支配する因子が結晶化過程の理解にとって重要である事を示している.さらに,こうした結晶化を支配する因子が変化すると結晶成長の次元が変化して,結晶形をも変化した.(論文出版決定済) c) 細孔内でのガラス転移と結晶化:当該外国人特別研究員が発見している「実効的な負の圧力」の効果を検討するために,液晶性の5C4FPB3と5CPB5をモレキュラーシーブであるSBA-15 およびMCM-41のナノ細孔に導入した場合の挙動を主としてDSCにより検討した.液晶相の安定性,ガラス転移挙動などの相挙動全般および結晶化挙動(定温および等速昇降温)の細孔内導入率依存性を実験的に得た(解析進行中).
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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