研究課題/領域番号 |
20F20031
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大北 英生 京都大学, 工学研究科, 教授 (50301239)
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研究分担者 |
CHO YONGYOON 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-07-29 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ペロブスカイト太陽電池 / エージング / 正孔輸送剤 / 酸化 / HOMO準位 / 表面再結合 / バルク再結合 / パッシベーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ペロブスカイト太陽電池のさらなる高効率化を目指して、開放電圧の損失起源を解明し、その知見をもとにパッシベーション処理による高電圧化に取り組むものである。そのために、電荷キャリアの再結合を抑制することが不可欠である。独自に開発したパッシベーション処理を施したペロブスカイト素子における電荷キャリアダイナミクスを、時間分解単一光子計数測定、過渡吸収分光測定、過渡起電圧・過渡電流測定などの各種分光測定を駆使して解明し、トラップ濃度を定量評価するとともにどこに存在するのかを明らかする。その結果をもとに、トラップ低減を実現する新規パッシベーション技術を開発し、さらなる高効率化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究において取り組んだ研究としては大きく二つに大別される。一つ目は、混合カチオンペロブスカイト太陽電池においてしばしば観測される素子作製後に大気下での保存によって効率が向上する現象の機構解明である。二つ目は、パッシベージョン処理による電圧損失抑制効果を再結合機構の観点から明らかにすることである。一つ目の研究課題では、ペロブスカイト太陽電池の主な再結合損失機構をデバイス物理の観点から解析した。その結果、素子作製直後のエージング前は表面再結合が支配的であるのに対して、エージング後には表面再結合は抑制されバルク再結合が支配的にとなることを明らかにした。素子を構成する各材料の経時変化を詳しく調べたところ、ペロブスカイト層の特性変化は小さく、正孔輸送層であるspiro-OMeTADのHOMO準位が大きく変化することを見出した。このエネルギー準位の変化によりペロブスカイト層の価電子帯の準位との整合がエージングにより改善されることで表面再結合が抑制されたことを明らかにすることができた。二つ目の研究課題についても上述と同様の測定と解析を行った結果、パッシベーション処理を行った素子では、作製直後のエージング前の状態でも表面再結合が効果的に抑制されていることを明らかにした。さらに、ペロブスカイト層の経時変化について詳細に調べたところ、電子準位等の物性値には変化が見られないものの、トラップ密度はエージングにより減少することから、エージングにはペロブスカイト層のヒーリング効果もあることを実証した。湿度の無い環境下ではエージング効果が見られないことから大気下での湿度により欠陥が修復されるものと考えられる。以上の知見を踏まえて素子作製条件を最適化したところ、エネルギー変換効率22.2%を実現することができた。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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