研究課題/領域番号 |
20F20090
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
桑原 義博 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90281196)
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研究分担者 |
NGUYEN THINH 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ヒ素 / 重金属 / アジア / ナノコンポジット / ベトナム / バングラデシュ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、アジアで大きな問題となっている大デルタ地域の高ヒ素濃度問題に対して、ダム建設など人間活動による地下水位の低下と地球温暖化による海面上昇によるデルタ堆積物層におけるヒ素の挙動や微生物活動への影響やそのメカニズムを理解することで、この問題の解決を図ろうとするものである。本研究では、(1)デルタ内のヒ素に富む堆積物層に存在する微生物種を特定しヒ素挙動との関連を探る、(2)メコン川の水位低下及び海面上昇がもたらす地球生物学的プロセスを介したヒ素挙動への影響を探る、(3)デルタ内のヒ素に富む堆積層の形成時期とその推移について探る、という3つの課題を立て、未解決な問題を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、アジア地域における地下水や土壌中のヒ素を含む重金属の汚染状況、挙動、及び、それら汚染物質の除去法についてターゲットを置き、(1)デルタのヒ素に富む堆積物層にはどのような微生物種が存在し、ヒ素挙動にどのように影響しているかについて明らかにする、(2)人類に有害であるそのようなヒ素の有効な除去方法の開発を目指す、という2つの柱となる目的を掲げて研究を計画した。 本年度においても、当初、ベトナムでの野外調査を計画していたが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響により、ベトナムでの野外調査ができなくなったため、既にアジア地域で採集していた試料に対する各分析を進めるとともに、研究目的(2)の人類に有害であるヒ素および重金属の有効な除去方法の開発にも力を入れた。その結果、バングラデシュのデルタ地域からのヒ素に富む堆積物(ピート層)に関する研究では、ピート層の形成年代が3170~3900年前であることが推定され、上昇していた海面の低下により形成されたことがこの研究で新たに明らかとなったこと、ピート層中のヒ素濃度は54.7-79.1 lg/gと高く中程度~重度に汚染されたクラスの範囲にあることが示されたこと、また、ヒ素除去のための新規複合材の開発に関する研究では、α-Fe2O3と多孔質のグラファイトカーボンナノシートの合成に成功したこと、その新規複合体が小さな比表面積を示すにも関わらずより高いヒ素の除去率(最大99.85%)を示したこと、新規複合体の中でもFeCl3由来の複合体においてヒ素(AsIII)のヒ素(AsV)への酸化が生じることを初めて見出したこと、などの有益な結果が得られた。本年度は、これらの結果をまとめて、国際誌論文4本と国際学会での発表1件という形で研究成果を公表した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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