| 研究課題/領域番号 |
20H00022
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
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| 応募区分 | 一般 |
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| 審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
末柄 豊 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70251478)
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| 研究分担者 |
遠藤 珠紀 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (10431800)
井上 聡 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (20302656)
川本 慎自 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (30323661)
耒代 誠仁 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (00401456)
大山 航 東京電機大学, システム デザイン 工学部, 教授 (10324550)
桑田 訓也 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, 主任研究員 (50568764)
久留島 典子 総合研究大学院大学, なし, 理事 (70143534)
村川 猛彦 (田中猛彦) 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90304154)
林 譲 東京大学, 史料編纂所, 名誉教授 (00164971)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
41,600千円 (直接経費: 32,000千円、間接経費: 9,600千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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| キーワード | 花押 / 筆跡 / ディープラーニング / 歴史的人物情報 / 史料情報 |
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| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歴史史料を読み解く上で必須となる、筆跡（字形）および花押（サイン）に関する研究環境の飛躍的な発展を目指し、既公開の「電子くずし字字典データベース」「花押データベース」の高度化・機能拡張を図るとともに、情報工学と連携して字形・花押の機械認識など新たな可能性に挑戦してゆく。また人物情報を擁するレポジトリと連携することで、筆跡・花押の形象が社会的関係性のなかでどのような意味をもっていたのかを探ってゆく。加えて典拠となった史料原本情報と連携させることで、史料批判の精度を向上させることなども追究する。
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| 研究実績の概要 |
本研究は前年度と同じく次の５つの観点から研究を進めた。
①データ収集の拡充と収集方針の高度化については、東京大学史料編纂所所蔵以外のオープンデータ史料群への対応を強めること、古代・中世史料から近世史料へと拡張してゆくことなどに意を用いた。結果、筆跡データを27,000件余、花押データを32,500件余と、あわせて6万件に近いデータを新規登録することができた。
②公開による社会的発信の強化をめぐっては、史料編纂所が公開する「電子くずし字字典DB」「花押DB」にて①の新規登録データを公開するとともに、他機関連携による「史的文字データベース連携システム」にも反映させた。くわえて同連携システムの強化にも協力し、新たに東京国立博物館との連携も確立することができた。
③画像解析技術の更なる革新と多様な手法の導入をめぐっては、新規に登録した①のデータを対象に機械学習を進めて、字形読解システムMOJIZOの機能強化を実践するとともに、特に花押データについては、研究分担者ならびに協力者の支援を得て、従前とは異なる手法による解析実験に着手することもできた。
④人物情報を媒介とした筆跡・花押分析の高度化研究については、前年度に引き続き、新規登録データの人物情報を、史料編纂所歴史情報処理システム内にある人物レポジトリへと移行するとともに、特に系図情報との連動を円滑にすることに意を用いた。
⑤史料学的情報との統合による筆跡・花押情報の高度利用研究では、前年度につづき文書様式ごとの字配りや花押配置について特徴を抽出することを通じて、筆跡・花押データの自動収集やその解析について実験を行った。特に経典史料を対象とした取り組みを強めて、一定の成果を達成している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集対象の拡大・多様化とともに、6万件におよぶ新規データ登録を実現することができた。国内4研究機関と国外1機関で発足した「史的文字データベース連携システム」についても、新たに東京国立博物館からの参加を得て、多様なニーズへの対応が可能となっている。「電子くずし字字典データベース」「花押データベース」の年間利用総数も150万件を数えるなど、人文研究の基礎的インフラとして有効に機能している。字形・花押を素材とする文理融合研究も、さまざまに展開しており、新たな研究分野としての認知が進んでいると言えるだろう。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き筆跡・花押データの集積を一層推進し、データの多様化を進めてゆく。「史的文字データベース連携システム」については、さらなる参加連携機関の拡大に取り組みながら、基盤となる史料編纂所の「電子くずし字字典データベース」の高度化に取り組んでゆく。「花押データベース」についても、さらなるコンテンツの拡大を図り、筆跡とあわせて汎用的な利活用を可能とする基盤整備を進めてゆく。機械学習・深層学習研究の面にあっても、学習データの拡張を図りつつ、筆跡にあってはMOJIZOの解析精度の向上を進め、花押にあっては人物情報との連携を円滑にしてゆくことを目指す。史料学情報と筆跡・花押情報の統合研究においては、研究協力者の参加する古代経典調査との連携を踏まえて、古文書のみならず多様な史料へと広げることで、高い精度の解析が可能になるよう努めてゆく。
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