研究課題/領域番号 |
20H00025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
吉田 ゆり子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50196888)
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研究分担者 |
多和田 雅保 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (10528392)
伊藤 毅 青山学院大学, 総合文化政策学部, 客員教授 (20168355)
吉田 伸之 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (40092374)
羽田 真也 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (40757837)
福村 任生 日本大学, 生産工学部, 助教 (40833918)
太田 仙一 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (60826147)
後藤 雅知 立教大学, 文学部, 教授 (50302518)
樋口 貴彦 東洋大学, 大学共同利用機関等の部局等, その他(移行) (50568631)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2023年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2022年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2020年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 山里 / 文化的景観 / 歴史 / 地域社会 / 南信濃 / 社会構造 / 森林資源 / 榑木 / 王子製紙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、森林資源が日本社会の構造的変化に多大な影響を与えてきた事を踏まえ、政治権力や商人、産業資本の動向に留意し、伊那の地域社会が、都市や湊など外部世界と結びつきながら固有の社会構造を形成してきたことを、多面的かつ段階的に解明する。南信濃地域を主たる対象としつつ、山里社会を相互に比較研究する軸を構築し、その構造的特質の解明に資することをめざす。併せて、歴史的景観の段階的復元により、地域の歴史や個性が今日の文化的景観に具現していることを明らかにし、歴史資料の発掘・保存と文化的景観の継承が、地域市民にとりかけがえのない価値であることを示し、地域の持続可能性への手がかりを提供する試みでもある。
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研究実績の概要 |
本研究では、「伊奈山」の資源を求めて16世紀末から信州伊那地域に入り込む幕府や商人、また明治期の王子製紙等の企業資本の動向に留意しながら、伊那の里方・山方の村や町が、伊奈山をめぐる有機的な関係の中で地域社会を形成し、さらに江戸・東京をはじめとする都市や河川交通の要衝となる湊や町場と深く結びついて固有の社会構造を形成してきたことを、研究課題A「山里社会の個性の歴史的形成過程」、研究課題B「山里社会相互の関係構造」、研究課題C「文化的景観の歴史被拘束性」を柱に、多面的かつ段階的に解明する。併せて、歴史資料の発掘・保存と文化的景観の継承が地域市民にとってかけがえのない価値であることを提示することを目的とした。2022年度は、2021年度の研究主題「地域の多様生・個性化の開明(1)生業と社会集団」の成果を中心とし、中間ワークショップ「山里社会における生業の多様化と個性の時代」を行った。また、2022年度の研究主題「地域の多様性・個性化の解明(2)モノと人の循環・文化の開花」関係構造に焦点を当て、満嶋番所(遠山家文書)、鹿島番所(大角家文書)、日明・船明(水窪奥山文書)、掛塚(稲勝文書、津倉文書等)、[エ]浪合増田寛明家文書(個人蔵・馬宿)を重点的に収集・分析し、「山里社会相互の関係構造」(課題B)を深めた。あわせて、他地域の山里社会を比較検討する視座を取り入れ、北信濃の戸隠地域、西日本では近江国湖西地域、山城国桂地域においても実施した。景観研究チームでは、遠山地域の和田宿と八重河内地区で建物調査を個別に行い、明治期土地台帳や江戸時代の検地帳を用いた景観復元作業を机上で進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、研究協力者の所属機関における新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点に基づく方針により、複数名での建造物・景観・古文書調査を予定どおり実施することができなかった。研究遂行上、研究グループとしての調査活動は不可欠であるため、研究計画を見直し、繰越を申請することになったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の研究計画を推進するために、再度計画を見直し、現地での史料調査や景観調査を実施し、史資料の収集につとめ、収集した史資料の分析を進める。 基幹史料となる千村平右衛門代官所文書の収集を進めるとともに、遠山地域と清内路地域、浪合地域の史料調査・収集を行う。景観研究チームは、遠山地域の建物調査を継続するとともに、街区内路地(赤線)や裏街調査を開始する。当初、2022年度に予定していた中間ワークショップ2「地域の多様性・個性化の解明(2)モノと人の循環・文化の開花」を、2023年度(2024年3月)に実施する予定で、史資料調査・研究、景観調査・研究の活動計画を修正する。また、本研究課題のフィールドである南信濃地域での研究が、広く普遍性を担保して推進することができるように、ワークショップでは、他地域の山里研究を行う研究者にコメントを依頼し、今後の研究活動を発展的に行うことをめざす。
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