研究課題/領域番号 |
20H00033
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
三舟 隆之 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (20418586)
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研究分担者 |
西念 幸江 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (90410208)
金田 一秀 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (30342067)
齋藤 さな恵 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (00389040)
大道 公秀 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (50632444)
鈴木 礼子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (20616239)
峰村 貴央 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (30769451)
馬場 基 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (70332195)
山崎 健 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (50510814)
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940)
小田 裕樹 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 主任研究員 (70416410)
森川 実 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (30393375)
小倉 慈司 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (20581101)
五百蔵 良 東京医療保健大学, 医療保健学部, 名誉教授 (70299907)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,770千円 (直接経費: 32,900千円、間接経費: 9,870千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2020年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | 古代の食の再現 / 残存脂質分析 / 土器の機能 / 『延喜式』の食 / 木簡 / 古代の食 / 延喜式 / 動物骨 / 堅魚 / 赤米 / 炊飯実験 / 古代食の再現 / 木簡・延喜式 / 土器・動物骨 / 化学分析 / 古代酒 / 土器 / 生活習慣病 / 動物考古学 / 古代の食文化 / 土器の化学分析 / 食と生活習慣病 / 東ユーラシア / 古代食の復元 / 『延喜式』 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は古代食の食品や調理法の復元を行い、その栄養学的な分析から古代における食事と生活習慣病の関係までを探るのが目的である。 文献史料から古代の食品を検証し、食器・調理具である土器を器形や内部の使用痕を調査し、残存脂質やコゲなどの理化学的分析も行って古代食の復元を行う。また説話・絵巻物などの資料も視野に入れ、民族学的な調査も行って古代食の実態を解明する。その上で復元された古代食の栄養分析を行い、古代における食事と生活習慣病の関係までを解明しようとするものである。
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研究実績の概要 |
本年度の研究業績としては、まず2021年度に行った「西大寺食堂院跡シンポジウム」の成果報告集として、『古代寺院の食事を再現する―西大寺では何を食べていたのか』(吉川弘文館 2023年)を刊行することができた。この研究は古代史・考古学のみならず、調理科学や食品学・栄養学などの学際的な研究方法を確立したことで、大きな意義がある。その他の研究実績としては、①前年度から継続していた古代の堅魚製品の再現実験を継続して行った。平城京などから出土する木簡には「荒堅魚」「煮堅魚」「堅魚煎汁」などの製品名が明らかであるが、どのような製品であるかはわからない。また沼津市・富士市や伊豆地方からは堝形土器が多く出土するが、その用途については良くわからないので、改めて分布調査や土器の実験を行った。また再現した堅魚製品の保存性や調理方法なども検証した。それらの成果の中間報告として、2023年3月に東京医療保健大学において、「カツオの古代学」シンポジウムを開催し、中間成果を発表した。 ②古代の酒の再現実験については、改めてさまざまな地域の酒造蔵を尋ね、赤米の製法などの聞き取り調査を行い、古代米とされる赤米による古代の酒の再現実験を行った。 ③今年度は香川大学において、古代米の品種を栽培していることが判明し、その様子を実見した。そして収穫後少量を分けてもらい、炊飯実験を行い、賞味した。これに関しては今後も継続したい。 ④それに伴い、モデル土器を使用して古代の炊飯実験を京都橘大学と共同で行った。この取り組みは今後も継続したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、調査や実験が行えるようになったのが大きな理由である。その上でこのような古代食の再現実験が関係方面に知れ渡り、さまざまな共同研究や協力を得られるようになったことも大きな要因である。これは研究機関や研究者のみならず、市民や食品製造業者の関心を引くことにもなり、再現実験では多くの関係業者のアドバイスももらえるようになり、研究方法や実験方法などで大きなプラスとなった。
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今後の研究の推進方策 |
現在継続している古代の堅魚製品の再現実験では、加工・保存法について大分明らかになってきたものの、都までの運搬方法や食品としての調理法などがまだ明らかになっていない。そこで今後もこの研究を継続し、和食の原点である出汁―カツオの調理法を明らかにしていきたい。同時に今年度新たに入手した古代品種の米について、さまざまな研究者から共同研究の提案を受けており、炊飯実験や酒造の再現実験など、新たな試みを展開したい。それと同時に、再現された古代の食と生活習慣病について、栄養カロリーや食塩濃度など、さまざまな観点から、古代の食と疾病の関係を明らかにしていきたい。
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