研究課題/領域番号 |
20H00064
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 東洋学園大学 (2022-2024) 東海大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
辻中 豊 東洋学園大学, 学長, 学長 (70145944)
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研究分担者 |
小嶋 華津子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00344854)
首藤 もと子 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (10154337)
唐 亮 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10257743)
山本 英弘 筑波大学, 人文社会系, 教授 (20431661)
曽我 謙悟 京都大学, 法学研究科, 教授 (60261947)
森 裕城 同志社大学, 法学部, 教授 (70329936)
タック川崎 レスリー 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70580497)
崔 宰英 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80332550)
大西 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90254375)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
青尾 謙 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (90824128)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2022年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2020年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 市民社会 / ローカルガバナンス / 利益集団 / 比較政治 / 政策イノベーション / ガバナンス / 都市政治 / 政治過程 / 利益団体 / データベース / 市民社会組織 / アジア政治 / ソーシャルイノベーション / Covid19 / 住民組織 / 自治会町内会 / ソーシャルキャピタル / 社会集団 / 都市ガバナンス / アジア / 公共政策 / 社会イノベーション |
研究開始時の研究の概要 |
研究は次の問いに答えようとする。政治体制を所与として、市民社会と地方政府の関係性によっ て、都市ガバナンスの改善、公共政策関連のQOLの向上を可能にするメカニズムを成立させる要因は何か。日本国内の都市において、なぜ、ガバナンス、政府と市民社会の協働や政策満足、信頼になぜ差が生じるのか、その市民社会と地方政府の関係性を規定する要因は何か。アジアの都市において、ガバナンス、政府と市民社会の協働や政策満足、信頼はどのような状況であるか、その市民社会と地方政府の関係性を規定する要因は何か。いかにすれば都市ガバナンスを公共政策(政府と市民社会の行う政策、両者の政策協働)を通じて改善できるか。
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研究実績の概要 |
本研究は、市民社会とガバナンスの観点から、地方政府を対象に、その改善要因を特定化しようとする。日本の地域のガバナンスの高低の実態とその要因を実証的に解明し、他方で、アジア等世界で、市民社会とガバナンスの状況を記述し、異なる体制の下で、どのようにして高いガバナンスを実現できるのかを検討する。 コロナ禍が2022年~23年度においても払しょくできず、当初予定した追加的な調査や現地面接は不可能となったため、制約された環境で可能なwebモニター調査や現地協力者による情報収集が主たる手段となった。そのため、1997年から2017年まで20年間に実施した、15カ国の市民社会組織調査データの再整備によって研究目的を実現することに力点を移した。これまで各国調査に基づく国別の検討であったものを、調査地域間比較分析によって、ガバナンスと市民社会の関係を解析するという方法に戦略転換を行った。 研究業績としては、15カ国24調査を統合するデータベース整備が最大の貢献である。そのため、関連して未整備のコードブック作成、71以上のnをもつ日本70都市、海外43都市、合計113都市の記述統計的比較(頻度順位グラフ)を含む10冊の報告書作成を行った。113都市比較によって、日本の諸都市の位置づけが直観的に把握できるようになった。個別分析から比較分析に展開するため、2か国で比較可能な質問43個含むサンプル数41,182のデータベースを作成した。10か国で比較可能な質問も25個含まれる。また、全国調査を含む日本調査のケースが過大であるため、各国首都と1地域に絞ったデータベース(サンプル数は23,841、うち日本は2108)も作成し、現在比較分析を実施中である。 他方、研究分担者を含め、市民社会、利益団体、政治過程、社会運動、地方自治、選挙等の観点からの検討が進められ、多くの研究論文、報告書等を上梓した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本だけでなく、中国、韓国、インド、バングラデシュ、インドネシアの地域研究的視角からの検討も実施した。韓国、インド、バングラデシュ、中国、日本からは、本国または来日中の研究者を招聘し、調査データの背景情報を収集、分析の有意性を確認した。 15カ国24調査には、下位質問を含め1500を超える変数が含まれる。そこから固有値も最大限生かしながら、2か国で比較可能な質問42個含むサンプル数41,182の総合データベースを作成した。ここには10か国で比較可能な質問も25個含まれる。 まず、日本と世界の主要都市を単位として、統合するデータベース整備(71以上のnをもつ日本で70都市、海外で43都市、合計113都市の市民社会とガバナンスデータ、都市別データベース、27,988)を行い、都市間の記述統計的な比較(頻度順位づけグラフ)によって、日本と世界の都市の位置づけが視角的、直観的に把握できるようになった。 次に、各国の個別分析から国際比較分析に展開するため、また、全国調査を含む日本調査のケースが過大であるため、各国首都と1地域に絞った比較データベース(サンプル数は、23,841、うち日本は2108)も作成し、現在、それに基づき比較分析を実施中である。ここでは、第二レベル(都県、州、省および首都大都市圏)を分析の焦点とした。 15か国調査自体の要約的紹介、15か国47地域(大都市圏、都県・州・省等)の調査時点の政治経済社会的背景の分析、各地域と各国の市民社会とガバナンスの分析、15か国47地域(複数調査を省く実数では28地域)の比較検討を実施中である。他方、研究分担者を含め、市民社会、利益団体、社会運動、地方自治、選挙等の観点からの検討が進められ、多くの研究論文、報告書等が執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
総合データベースから、都市別データベースと比較データベースを作成した。現在は比較データベース分析に注力している。つまり、2か国で比較可能な質問43個含むサンプル数41,182の総合データベースには、10か国で比較可能な質問も25個含まれる。全国調査を含む日本調査のケースが過大であるため、各国首都と1地域に絞った比較データベース(サンプル数は23,841、うち日本は2,108)を用いて現在分析を実施している。 この25個の設問には、1.調査地域、2.設立年、3.会員数、4.スタッフ数、5.団体分類、6.関心政策、7.団体目的、8.活動範囲、9.自己評価影響力、10.情報源、11.アクター接触、12.政府との関係、13.政府への直接的な働きかけ、14.政府への間接的な働きかけ、15.政治アクターへの政策相談、16.政治アクターへの信頼、17.他アクターの影響力評価、18.協調対立関係、19.マスメディア登場回数、20.支持政党、21.選挙時の活動、22.予算編成、23.ロビイング、24.国政実施阻止経験、25.回答者のイデオロギー、である。 これらの設問への、15か国47地域(大都市圏、都県・州・省等)(複数調査を省く実数では28地域)の比較検討を実施し、中立的な市民社会とガバナンスという観点から、地方政府を対象に、その改善要因を特定化する。本研究では、日本と世界の地域のガバナンスの高低の実態とその要因を実証的に解明し、アジアを中心とした世界15か国28地域における、市民社会とガバナンスの状況を記述し、異なる体制の下で、どのようにして高いガバナンスを実現できるのか、という研究目的に一定の仮説を提示し、その検証を行う予定である。
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