研究課題/領域番号 |
20H00065
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
石井 知章 明治大学, 商学部, 専任教授 (90350264)
|
研究分担者 |
及川 淳子 中央大学, 文学部, 准教授 (40781836)
澤田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50313268)
山口 真美 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ジェンダー・社会開発研究グループ, 研究員 (60450540)
梶谷 懐 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70340916)
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80388842)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
32,370千円 (直接経費: 24,900千円、間接経費: 7,470千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 労使関係 / 国際関係 / 政治学 / 経済学 / 社会学 / 労働法 / 中国 / 労働 / 社会政策 |
研究開始時の研究の概要 |
「非正規」労働者としての農民工を中心に繰り広げられたホンダのストライキ(2010年)に見られるように、中国の労働社会は官製労働組合運動とは大きく異なった「非正規」労使紛争を呼び起こしている。これまで官製労組(中華全国総工会)の支配下にあった「個別的」労使関係は、現習近平体制の下で「集団的」労使関係へと大きな変化を遂げている。官製労組は一枚岩的システムなのか、市場経済に適合的なのか。労働NGOは、どう対応し、官製労組はいかなる態度を選択するのか。本研究は、中華全国総工会(中央)、広東省・深セン市総工会(地方)、労働NGO(基層) の相互関係性の分析で、中国の労働社会における根源的局面を解明する。
|
研究実績の概要 |
コロナ禍のために実質的活動の停止を余儀なくされていたとはいえ、少なくとも文献調査・ネット検索調査だけは、テレビ、新聞、雑誌などの媒体を通した国際報道や、中国をはじめとする各国の大学図書館、書店、出版社、雑誌社などへの検索を通して、最新学術的研究文献・最新ジャーナリズム関連報道への情報アクセス、調査・研究活動によって精力的に進められた。とりわけ、中国をはじめとする世界各国からの最新情報の発掘、中国国内での現地情報の収集、かつそれまでに収集された文献調査による学術研究情報の更新作業などは、研究分担者に各自、分担された領域の研究状況をめぐる実態に即しつつ、着実に進められていったといえる。
当初、この作業は、コロナ禍の終息とともに、公開講演会、シンポジウムの開催などによって、継続的にわれわれの共通テーマとして深められる予定であった。だが、なによりもパートナーである中国側が実質上、研究者ともども、対外的研究活動を完全にシャットアウトしてしまったため、極めて遺憾なことに、オンライン(ZOOM)による開催すら不可能となってしまった。そのことは、中国側がとくに、「西側」のツールであるZOOMの利用そのものを拒否しているという政治的理由も災いしていた。
早期に実現されるべき現地調査も、コロナ禍をめぐる日中間での関連社会政策の条件次第で実施可能性が見込めるかどうか、まったく不明なまま推移するという状況に変わりはなく、この時点での予測が完全に不可能であった。こうしたことから、当初の実施計画を変更し、ZOOMによる内部会議の開催(4月)に際し、各自の文献調査を深めることに専念することでお互いが確認しあい、当面はコロナおよび中国国内情勢を見守ることで文献調査のみを進めていった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
極めて残念なことに、われわれの科研費調査研究プロジェクトの開始時期と、コロナ禍の世界的拡大の時期とが完全に重複してしまったことが、これまでの研究活動の進捗状況を極端に悪化させてしまったといえる。そのことは、日本側で顕著であったことは言うまでもないとしても、特に研究パートナーである中国側でいわゆるゼロコロナ政策という極端な政策が採用されることによって、一切の研究上のやり取りが停止してしまったことが、その大きな原因の一つとして挙げらられる。とりわけ、オンラインでの、しかも非公開の国際会議の開催(2022年10月)に際しても、中国側の研究協力者の一人が当局によって2度も拘束されるという異常事態にまで至り、研究状況は最悪であったといってもけっして言い過ぎではない。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究プロジェクトの実施最終年度である2023年4月にいたり、ようやく日本側のコロナ関連政策は基本的に終了したものの、中国側が依然としてコロナ対応を緩めていないことが、われわれの研究活動再開の大きな障害となっている。
とくに現地調査には、いまだに厳格なビザ申請による入国制限がとられており、これを記している4月末の時点ですら、予定されている8月の実施が可能であるかどうか、不透明な状況にある。なによりも、中国国内の政治状況がいまだに不安定であることから、一切の対外的研究活動が制限されているという状況にも大きな変化が見られない。
とはいえ、少なくとも中国以外の国際社会はすでに研究活動を完全に再会していることから、アメリカの主要な大学の中国研究者、そして可能であれば中国国内からの研究者を招いて、2024年3月に大規模な国際シンポジウムを明治大学で開催する準備を進めている。このほかでも、これまで通り、内部の研究会を継続的に実施し、さらに対面による公開講演会、研究会などをこれまで通りに実施する予定である。
|