研究課題/領域番号 |
20H00081
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加河 茂美 九州大学, 経済学研究院, 教授 (20353534)
|
研究分担者 |
小野 廣隆 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (00346826)
藤井 秀道 九州大学, 経済学研究院, 教授 (20731764)
稗貫 峻一 横浜国立大学, 総合学術高等研究院, 非常勤講師 (20791544)
後藤 美香 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50371208)
永島 史弥 近畿大学, 経済学部, 准教授 (50845956)
馬奈木 俊介 九州大学, 工学研究院, 教授 (70372456)
近藤 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80313584)
南齋 規介 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 室長 (80391134)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
44,460千円 (直接経費: 34,200千円、間接経費: 10,260千円)
2024年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
|
キーワード | 多地域産業連関 / サプライチェーン / DEA / ネットワーク / LCA / 産業連関 / 二酸化炭素 / 政策 / 消費行動 / 効率性 |
研究開始時の研究の概要 |
第一の課題では、自動車の動的離散選択モデルの推定を行い、需要政策が自動車の最終需要に付随するライフサイクルCO2排出量に与える影響を推計し、需要政策が温暖化緩和に果たす役割を定量的に明らかにする。第二の研究課題では、日本の自動車製造に不可欠な金属14部門に着目したサプライチェーンDEAを行い、金属生産の技術効率・サプライチェーン効率の向上が自動車の最終需要に付随するCO2排出量に与える影響を分析する。第三の研究課題では、第一と第二の課題で明らかになる自動車需要政策に伴う最終需要変化と金属部門の効率性向上に伴う投入変化を考慮したサプライチェーンネットワーク分析を行う。
|
研究実績の概要 |
(1)水素エネルギーシステムのライフサイクル評価に関する研究 水素エネルギーの利用は、その優れた環境効率とエネルギー効率の点から期待されている。しかしながら、水素エネルギーの社会実装には解決すべき課題が多く残されている。本研究では、化石燃料起源の水素エネルギーとガソリンのライフサイクル比較分析を行った。分析の結果、同じ車両重量に関して、水素自動車のライフサイクル温室効果ガス排出量はガソリン車よりも0.15kg-CO2 eq./km少ないことが分かった。炭素含有量の少ない化石燃料由来の水素は安定したエネルギー供給と経済性の点から、将来のエネルギーシステムに貢献する可能性がある。 (2)グローバルサプライチェーンの再構築がCO2排出に与える影響に関する研究 本研究は、4つの産業連関分析手法を統合することで、サプライチェーンの再構築が、カーボンフットプリントに与える影響を分析する新しい解析フレームワークを開発した。さらに、日本の自動車部門を対象としたケーススタディの結果から、当該サプライチェーンの再構築は、自動車のカーボンフットプリントを約 6.5%削減するポテンシャルがあることを明らかにした。この結果は、より低炭素型の構造を持つサプライチェーンの再構築に向けた当該産業のCO2排出削減策・貿易政策の重要性を示唆している。 (3)グローバルサプライチェーンネットワークにおける媒介中心性に関する研究 本研究では、産業連関構造抽出分析法と産業連関媒介中心性分析法の理論的な関係を明らかにしただけではなく、グローバルサプライチェーンネットワークにおいて中国の化学製品業、中国の金属製品業の媒介中心性が高いことを示した。この二つの需要な部門に焦点を当てたよりCO2負荷の少ないサプライチェーン構築が求められる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
自動車のLCA分析において決定的に重要な水素エネルギーシステムに関するインベントリデータの開発ならびにその実証分析を行うことができた。また、サプライチェーンネットワーク解析に関する新手法を開発することもできた。これらの業績は本研究課題を遂行していく上で重要である。またそれらの成果は、International Journal of Hydrogen Energy誌(2021IF=7.139)、Energy Economics誌(2021IF=9.252)、Economic Systems Research誌(2021IF=2.081)というトップジャーナルに掲載された。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の重要な課題であるグローバルサプライチェーン構造をより深く分析するためのネットワーク解析法の開発を行い、自動車等のグローバルサプライチェーンを研究対象にして実証分析を行っていく予定である。
|