研究課題/領域番号 |
20H00085
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
長澤 榮治 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (00272493)
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研究分担者 |
村上 薫 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ジェンダー・社会開発研究グループ, 研究グループ長代理 (00466062)
森 千香子 同志社大学, 社会学部, 教授 (10410755)
後藤 絵美 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (10633050)
鳥山 純子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (10773864)
森田 豊子 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員研究員 (10791113)
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
岩崎 えり奈 上智大学, 外国語学部, 教授 (20436744)
小野 仁美 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (20812324)
服部 美奈 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30298442)
岡 真理 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30315965)
山崎 和美 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 准教授 (30513767)
嶺崎 寛子 成蹊大学, 文学部, 准教授 (50632775)
鷹木 恵子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (60211330)
高橋 圭 東洋大学, 文学部, 助教 (60449080)
細谷 幸子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (60516152)
竹村 和朗 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (60782654)
幸加木 文 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 特任研究員 (80794312)
岡戸 真幸 上智大学, イスラーム研究センター, 研究員 (00634338)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2021年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2020年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | イスラーム / ジェンダー / 共生 / マイノリティ / 格差 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2016年度以来実施してきた基盤研究(A)「イスラーム・ジェンダー学の構築のための基礎的総合的研究」の成果を踏まえ、イスラーム・ジェンダー学という新しい知的挑戦の枠組みを実践的応用的研究へと発展させることを目指すものである。 とくに現代世界の諸問題の根底をなす人々に「分断」をつくり出す構造を明らかにすることを目指して、「イスラーム」と「ジェンダー」の視座から、さまざまな「障壁」や「格差」や「摩擦」についての人文社会学的実証研究を行う。国内外研究者のみならず、市民組織・国際機関などとも連携し、問題解決となる方策を探り、具体的な提言やアドボカシーを含む、実践的応用的研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
本研究は、イスラーム・ジェンダー学という新しい知的挑戦の枠組みを通じて現代世界が直面する諸問題を考察し、解決方法を模索するものである。とくに諸問題の根底にある人々の「分断」に着目し、それをつくり出す構造を明らかにすることを目指している。具体的には、「イスラーム」と「ジェンダー」の視座から、さまざまな「障壁」や「格差」、「摩擦」についての人文社会学的研究を行ってきた。初年度である本年度は、年度当初に分担者会議を開き、研究期間全体の実施計画を検討した。それを踏まえて年度内には、各研究分担者・研究協力者の個別研究の遂行とともに、以下の8つの研究班ごとに共同研究を推進した。総括班「共生とマイノリティ」、研究班A「欧米のマイノリティに対する複合的差別の比較研究」、研究班B「ポスト紛争後の修復的正義とジェンダー」、研究班C「イスラーム家族・女性関連法の運用実態の研究」、研究班D「家族に関わる問題とその解決に向けた試みの諸相」、研究班E「労働と社会開発に関する比較研究」、研究班F「社会福祉・医療における人権とイスラーム」、研究班G「記憶と記録にみる女性とジェンダーの100年」である。新型コロナウィルスの感染拡大が懸念されたことから、共同研究は主にオンライン形式により行い、新たな試みとして「巣ごもり読書会」「巣ごもり映画研究会」等を実施した。また研究成果の還元として、第一期「イスラーム・ジェンダー学」科研で企画し、延期となっていた一般市民向けの公開セミナーを開催した他、刊行物としてイスラーム・ジェンダー・スタディーズ叢書第3巻を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である本年度は、研究分担者・研究協力者の個人研究とともに、8つの研究班によるグループ研究を開始した。また、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、オンライン形式による研究会・セミナーを合計23回(共催を含む)開催した。このうち新たな研究会の形式である「巣ごもり読書会」を8回、「巣ごもり映画研究会」など映画シンポジウムを5回、海外研究者の参加による国際セミナーを1回開催した。それ以外の10回の研究会・セミナーでは、近年、社会的関心を集めている在日クルド人問題などを取り上げた。研究成果の還元としては、新型コロナウィルスの感染拡大によって第1期「イスラーム・ジェンダー学」科研で企画し、延期していた一般市民向けの公開セミナー「日本に暮らすムスリムを取り巻く諸問題―職場・学校・地域から」を名古屋モスクの関係者などの協力を得てオンラインで開催した。また、同じく研究成果の還元としてイスラーム・ジェンダー・スタディーズ叢書第3巻『教育とエンパワーメント』(服部美奈、小林寧子編、明石書店)を刊行した。
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今後の研究の推進方策 |
第二年度となる次年度は年度当初の研究分担者会議の議論を踏まえ、各研究分担者・研究協力者の個別研究の遂行とともに、8つの研究班によるグループ研究を継続して実施する。新型コロナウィルス感染症の状況をふまえ、研究会・セミナーを基本的にオンラインで実施する。オンラインでの実施を始めた「巣ごもり読書会」および「巣ごもり映画研究会」を継続実施するとともに、成果の社会還元を目的として、医療保健関係者や世界史担当者など教育関係者との研究交流・情報交換の場を新たに企画し実施する。フィールドワークの中での気づきや考察を扱う『フィールド経験からの語り』(鳥山純子編、明石書店)をイスラーム・ジェンダー・スタディーズ叢書第4巻として刊行するとともに、その後の刊行予定の巻についても準備を進めていく。
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