研究課題/領域番号 |
20H00108
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
梅田 聡 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (90317272)
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研究分担者 |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00190728)
寺澤 悠理 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (30585790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2021年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2020年度: 20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
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キーワード | 身体症状症 / 自律神経予測処理 / 内受容感覚 / 不安障害 / 感情 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国における不安神経症の患者数は300万人を超えるとも推定されており,これらの背後にあるメカニズムの解明が,喫緊の社会問題であるといえる.なかでも,身体に病気の症状がないにもかかわらず,病気であるという過度な不安を訴える身体症状症(身体表現性障害)は,実際には相当数の症例が存在するが,その発生メカニズムは十分に理解されていない.その主な原因は,これまでの身体症状症の研究において,「心ー脳ー身体」の三方向から統合的に理解しようとする試みが不十分であった点にある.本研究では,身体レベルの自律神経予測処理機能,内受容感覚の正確さ,思考の歪みに着目し,各要素について詳しく調べる課題を用いて検討する.
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研究実績の概要 |
身体に病気の症状がないにもかかわらず,病気であるという過度な不安を訴える身体症状症(身体表現性障害)は,実際には相当数の症例が存在し,ある種の心理療法が有効であることが知られているものの,その発生メカニズムは十分に理解されていない.その主な原因は,これまでの身体症状症の研究において,「心ー脳ー身体」の三方向から統合的に理解しようとする試みが不十分であった点にある.そこで本研究では,症状の発生に深く関与する3つの要因,すなわち,身体レベルの自律神経予測処理機能,内受容感覚の正確さ,思考の歪みに着目し,各要素について詳しく調べる課題を用いて検討することを目的とする.本研究では,上述の3つの要因について行動・神経科学的なアプローチによる実験を実施し,関連病態がどのようなメカニズムによって引き起こされているのかを徹底的に解析し,治療に結び付けられるような指針を示す.本年度は,疼痛症状をはじめとする身体症状症に対して,思考の歪みを調べる課題,痛みの程度を調べる生理課題,主観的感情と身体感知に関する課題,内受容感覚を詳細に調べるための複数の課題,および複数の性格特性などの個人差を調べる質問紙などを実施した.課題遂行中には,連続血圧計などを用いて,自律神経の詳細な変化を同時に計測した.一方,自律神経の反応性および自律神経の予測性について深く検討するため,気圧の変化に対する応答を調べる課題も実施した.症例の臨床症状は非常に多様であるため,各症状がどのようなメカニズムで生じているのかを明らかにするため,慎重な検討を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により,年度の前半は実験が計画通りに進められなかったが,後半はかなり急速に進めることができ,遅れを取り戻しつつある.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に得られたデータを一部解析した結果,仮説を支持するデータが複数得られており,来年度も継続して実験を実施する予定である.今後,各課題のデータ解析および課題間の統合的なデータ解析を進め,治療指針に結び付けられるようなモデル構築を目指して推進させる.
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