研究課題/領域番号 |
20H00125
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井手口 拓郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (30735999)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2022年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2021年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2020年度: 25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
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キーワード | 温度生物学 / 光計測 / 細胞内温度 / ラベルフリー計測 / 分光 / ラベルフリー / 細胞温度 |
研究開始時の研究の概要 |
生命活動にとって温度は重要な働きをしていることが知られているが、細胞活動と細胞温度の関係には未解明な部分が多い。これまでの細胞温度計測は、局所温度に応じて強度を変える蛍光温度プローブにより行われてきたが、蛍光プローブによる間接的な計測は細胞内の他の環境変化にも依存するため、温度計測の正確さに不定性がある。本研究では、蛍光温度プローブを用いずにラベルフリーで細胞温度を計測する手法、および、熱拡散を可視化する計測手法を開発し、温度生物学を推し進めるための研究を行う。
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研究成果の概要 |
細胞内の熱拡散や光加熱時の温度変化をラベルフリーで定量する新規計測法を開発し、生きた細胞の計測を行ったところ、蛍光温度プローブを用いた計測とは異なる結果を得た。開発した手法による計測では、細胞内の熱拡散率は水に対して93-94%程度であり、細胞内では主に水分子が熱拡散を担うことを示した。また、秒スケールでの光加熱による温度変化の計測において、蛍光プローブを用いた場合には数度にわたり変化する温度上昇が見られたのに対し、ラベルフリー計測では一定の温度上昇であった。これらの結果は蛍光温度プローブが温度で決まる熱エネルギー以外の内部エネルギーの変化の影響を受けていることを示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温度が生命活動にとって重要な役割を果たしていることは個体レベルでは明らかであるが、一細胞レベルでどのような役割を果たしているのかは分かっていない。本研究で得られた成果は細胞を対象にした温度生物学という基礎研究分野に新たな知見をもたらすものである。また、温度を切り口とした生命の理解や医療への応用などにつながるという意義を持つ。
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