研究課題/領域番号 |
20H00131
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 昌利 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (30313117)
|
研究分担者 |
田仲 由喜夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40212039)
柏谷 聡 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40356770)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)
2022年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2021年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2020年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
|
キーワード | トポロジカル相 / トポロジカル超伝導 / トポロジカル超伝導体 |
研究開始時の研究の概要 |
非可換エニオンによる量子計算など単なる超伝導にない新しい機能を持ち得る非従来型超伝導体は、長らく超伝導研究の中心テーマであるが、現在に至るまでクーパー対の対称性の確立に至った例はほとんどない。本研究では、1) 波動関数のトポロジーに基づく新しい物質観より、非従来型超伝導体を「トポロジカル超伝導体」として精密に定式化し、2) その特徴的な量子応答を明らかにすることで、3)従来の手法では同定が困難であった非従来型超伝導体の対称性同定法の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
時間反転対称性のあるトポロジカル超伝導体にあらわれるマヨラナフェルミオンの電磁応答を系統的に求める方法を開発した。特に、K理論によるトポロジカル超伝導体の分類法と結晶対称性に対するマヨラナフェルミオンの表現論を用いて、超伝導ギャップ関数の対称性とマヨラナフェルミオンの磁場応答を関係づける理論の構築に成功した。また、トポロジカル超伝導性の検出に重要な役割を果たす超伝導体接合に関する理論を発展させた。さらに、CaAgPが新たなトポロジカル超伝導物質であることを支持する実験結果を得た。合わせて、トポロジカル超伝導体に散逸の効果を取り入れる際に重要となる非エルミートトポロジカル相の基礎研究も行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超伝導現象は基本的な物理現象であり、応用上も重要であるが、その元となるクーパー対の対称性をきめることは非常に難しく、多くの異方的超伝導体では未だクーパー対の対称性は決まっていない。本研究は、異方的超伝導体が持つ特徴的な励起であるマヨラナフェルミオンに着目し、その電磁応答を調べることで、クーパー対の対称性を決定することが可能であることを示しており、応用上も重要な現象である超伝導研究に新しい方向性を与えるものである。
|