研究課題/領域番号 |
20H00159
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
市川 温子 東北大学, 理学研究科, 教授 (50353371)
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研究分担者 |
木河 達也 京都大学, 理学研究科, 助教 (60823408)
中村 輝石 東北大学, 理学研究科, 助教 (80750463)
中島 康博 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80792704)
関谷 洋之 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (90402768)
小原 脩平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (70834711)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2023年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2022年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2021年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2020年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 二重ベータ崩壊 / キセノンガス検出器 / タイムプロジェクションチェンバー |
研究開始時の研究の概要 |
ニュートリノが「マヨラナ粒子」であるのかどうか、すなわち自身を反粒子とする性質を持つのかどうかは、現代の素粒子物理学および宇宙物理学において最重要の問題である。これを実験的に決定する最も有力な方法が「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊(0νββ崩壊)の探索」である。本研究では、我々が独自に開発した信号読み出し法ELCCを用いて、高いエネルギー分解能と3次元飛跡再構成による強力な背景事象除去能力を持つ高圧キセノンガス検出器を製作する。容積は1,000Lでキセノンガスを40 kgまで充填できるものである。この検出器により世界記録感度を超える0νββ崩壊探索が可能なことを実証する。
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研究成果の概要 |
ニュートリノを伴わない(ν無)二重ベータ崩壊を、ニュートリノ有効質量にして数 meV/c2まで感度を持って探索することを目指してAXEL検出器の開発を進めてきた。そのためのステップとして本研究では、まず1,000リットル(L)検出器の全体設計およびガス容器の製作を行い、東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子実験施設に設置した。 設計にもとづいて小型のものを試作し、既存の180リットル容器に設置し検出器全体としての性能評価を行ったところ、1.8 MeVの電子に対するエネルギー分解能として半値全幅で0.73%を得ており同種の検出器としては世界最高性能を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ν無二重ベータ崩壊探索をより高感度で行うために開発してきた検出器技術の高い性能を実証することができた。ν無二重ベータ崩壊の探索は、ニュートリノの特異な軽さの起源、そして宇宙においてなぜ反物質が消えて物質だけが残ったのかという、世界=宇宙の起源を知りたいという人類の根源的な知的要求に答える上で重要な課題である。
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