研究課題/領域番号 |
20H00161
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉見 彰洋 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (40333314)
|
研究分担者 |
吉村 太彦 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 客員研究員 (70108447)
黒澤 俊介 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (80613637)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
41,340千円 (直接経費: 31,800千円、間接経費: 9,540千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2022年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2021年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
|
キーワード | ニュートリノ / ランタノイドイオン / コヒーレンス / 4f電子スピン / ランタノイド結晶 / イオン結晶 / ランタノイド / 結晶 / 電子スピン共鳴 / 量子コヒーレンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は原子励起状態からの遷移に伴って光子に加えてニュートリノ対を放出する事象を 検出し、その質量絶対値、Dirac/Majorana 性の区別等未だ解明されていないニュートリ ノの重要な性質を網羅的に測定する実験手法の研究開発を行う。原子集団のコヒーレンスを用いてニュートリノが絡む弱い相互作用の遷移レートを増幅させるため,原子数密度と良い量子コヒーレンス環境を実現しなければならない。そこで結晶にドープされたランタノイド元素の 4f 電子の利用、 ラマン散乱を利用した実原子準位を経由した遷移の活用,を軸に「原子ニュートリノ」測定を検出レベルまで引き上げることを目指す。
|
研究実績の概要 |
今年度は、ニュートリノ質量分光に利用予定の YLF 結晶の屈折率測定の基礎実験を行った。量子コヒーレンスを利用した原子遷移レート増幅実験を行う際、結晶にドープされたErイオンの3準位系に2本のレーザーを入射し、1本の放射信号を計測することになる。この時3種類の遷移波長についての屈折率分散効果を考慮しなければならないので、結晶の屈折率測定が必要になる。屈折率測定のため、CWレーザー光が結晶を透過する際の干渉効果をレーザー軸に垂直な回転軸で結晶を回転させながら測定し、回転角度に対する干渉スペクトルを測定した。この測定を4種類の(400 ~ 1500 nmの範囲で)異なる波長をもつレーザーを用いて行って系統的に行った。この手法により、YLF結晶の屈折率を10^-5 の精度で決定できる用意ができた。また、昨年度行った Er:YLF 結晶における Er イオンの 4f 電子スピンのコヒーレンス研究をより発展させるために、アイソトープ濃縮した Li-7 を用いて Er:YLF 結晶開発を行った。濃縮度 99.96 % のリチウムを用いた水酸化リチウム粉末から、フッ酸処理を行ってフッ化リチウムを生成して、最終的にマイクロ引き下げ法によって Er:YLF 結晶を作製することに成功した(Er濃度 0.01 % と 0.05 %, サイズ 1mm x 2xmm x 0.7mm)。これで、現在スピン系のコヒーレンス幅を決めている Li-6 と Li-7 の各核スピンの非一様空間分布の影響を大幅に抑制する準備が整った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コヒーレンス生成実験の準備が整いつつあること、及びスピンコヒーレンス測定実験に重要なアイソトープ濃縮結晶の作製が行えたので。
|
今後の研究の推進方策 |
Er:YLF 結晶のコヒーレンス生成実験に着手する。また、アイソトープ濃縮した Er:7LiYF4 結晶の電子スピン系のコヒーレンスに関する情報(電子スピン共鳴幅等)を確かめる。
|