研究課題/領域番号 |
20H00202
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
奈良岡 浩 九州大学, 理学研究院, 教授 (20198386)
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研究分担者 |
濱瀬 健司 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10284522)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2020年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
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キーワード | 小惑星リュウグウ / サンプルリターン / 炭素質隕石 / 有機化合物 / 化学進化 / アミノ酸 / 有機分子 / 光学異性体分離 / 多環芳香族炭化水素 / 太陽系有機化合物 / 超微量分析 / 地球外有機化合物 / 超高分解能質量分析 / アミノ酸分析 / はやぶさ2 / はやぶさ2 |
研究開始時の研究の概要 |
はやぶさ2探査機が持ち帰る小惑星リュウグウの試料に含まれる有機化合物の研究を通して、太陽系の炭素質な表面を持つ小惑星における有機化合物の分布・進化を明らかにする。今まで行われたことがない高感度・高分離・高質量分解能・空間分布で地球外物質中の有機化合物を総合的に分析して、炭素質小天体と様々な種類の炭素質隕石との対応関係を解明する。万が一、リュウグウ試料がもたらされない場合でも種々の炭素質隕石の総合的な研究により、太陽系有機化合物の化学進化・反応過程が明らかとなる。現在、欧米にて進行中および近い将来に計画されている様々な小惑星の探査機によるサンプルリターン試料の有機化合物分析の礎となる研究を行う。
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研究成果の概要 |
小惑星リュウグウ物質や炭素質コンドライト隕石を水や有機溶媒で抽出し、高感度・高分解能のクロマトグラフィーや質量分析を用いて含まれる有機分子を分析した。その結果、炭素や水素、窒素、酸素、イオウなどの元素組成からなる約2万の分子組成を検出した。低分子のアミンやカルボン酸、アミノ酸、多環芳香族炭化水素、含窒素環状化合物などが含まれ、左右構造を持つアミノ酸はほぼ1:1のラセミ体で存在した。これらの有機化合物は摂動や衝突により小惑星表面から放出され、太陽系内を移動・運搬されると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炭素質小惑星の表面上に非常に多くの有機分子が存在することを証明した。地球生命が利用しているアミノ酸や核酸塩基、およびカルボン酸などが存在することは生命誕生に至る化学進化への理解につながる。また、太陽系外惑星における生命存在の可能性についても議論できる。さらに将来、人類が地球外で活動する場合に利用できる有機物資源の分布情報も提供した。
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